ブラジルは、2000年に国連機関で公約した、「妊産婦死亡率(Mortalidade maternal・MM)を2015年までに35に引き下げる」とのミレニアム開発目標を達成できなかったと、13日付現地紙が報じた。ミレニアム開発目標は、各国が2015年までに1990年の水準の4分の1に引き下げることが基準とされていた。
MMは「妊娠中や出産時、および出産後42日未満に死亡した妊産婦数÷年間出産数(出生数+死産数)×10万」で算出する。死亡者数には妊娠、出産に関連しない死因(事故や災害など)によるものは含まない。妊娠、出産時の死因には高血圧、出血多量、感染症などがあるが、92%は防止可能とされている。
ブラジル保健省によると、ブラジルのMMは、1990年から2012年にかけて半分以下に落ちた後、13、14年と微増。15年に一旦下がったが、16年はまた増えて、64・4となった。
このデータにも、「豊かな南部と貧しい北部」の図式が現れている。北部7州と北東部9州のMMはそれぞれ84・5と78で、北部アマパー州の141・7は、ブータン、アルジェリア並だ。
南部3州と南東部4州は全国平均より低く、44・2、55・8だが、これでも3~4のポーランド、フィンランド、スウェーデンなどには遠く及ばない。
今年5月には政府内でも、今後12年で今の数値の半分、「2030年までに30を目指す」との声があがっていた。
保健省は「この目標を達成するには、科学的な証拠に基づいた効率性の高い施策が求められる」と書面で発表している。