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ストレス社会の犠牲者達

 14日夜、入院中と聞いていた友人が、ガンで卵巣などの摘出手術を受けたと聞いた。母一人、子一人の家庭で、二人して色々なイベントで奉仕する姿を良く見かけた。学校の管理職だと聞いた事もある▼その前週は、やはりイベントなどで見知っていた人がガンで亡くなったと聞いた。会社管理職の男性が、自分の部署への予算削減や家庭内の問題でストレスがたまり、脳腫瘍発見に至った例も読んだ。夫婦で日本に行ったが、奥さんがガンを患い、ブラジルに帰ってきた男性から、「妻は口答えした事がない」と聞き、ガンを患った原因の一つはそれだと瞬時に思った事も思い出す▼健康被害にまで及ぶかや、本人が感じる強さには個人差がある。だが、ストレスは実に様々な問題を引き起こす。常にストレスの中にいると、人間特有の「考える脳」がある前頭前野の機能が停止し、脳に損傷を生じるという。暴力的な人の脳は前頭前野に機能的な「穴」が開き、扁桃体が常に興奮状態になるため、冷静さを失って争いを起こしやすくなるとも▼ストレスは「幸福ホルモン」のセトロニンの生成量低下を招き、うつ病や依存症、怒りの発作、不眠症、アルツハイマー病なども引き起こす。睡眠の質が落ち、薬物や酒、煙草に依存し始めた人の前頭前野には、機能的な「穴」が増えるという▼現代社会ではストレスからの完全逃避は不可能だし、環境を変えるのも容易ではない。だが、運動や音楽などでストレスを発散させ、抑圧された状態を少しでも軽減する事は可能だろう。異常を感じたら原因を確かめる必要もある。ただし、公立病院の対応の悪さ自体がストレスになったりするのも、ブラジル特有の頭痛の種か? (み)