ブラジルの音楽賞のひとつ、「ブラジル音楽賞(プレミオ・ムジカ・ブラジレイラ)」の授賞式が15日に行われ、シコ・ブアルキなどが受賞した。
ブラジル音楽賞は、ブラジルのアーティストの音楽賞としては、ムウチショウ賞やラテン・グラミー賞などと並ぶ、大きな賞のひとつだ。今年で29回目を迎える。
この賞は他の音楽賞に比べ、受賞者の年齢が高い印象があるが、これはこの日、リオ市営劇場で行われた授賞式でもそれは変わらなかった。
最大賞となる最優秀楽曲賞を受賞したのは、大御所シコ・ブアルキの「トゥア・カンチーガ」だ。シコはこの日、最大の注目を集めたアーティストで、昨年発表のヒット・アルバム「アス・カラヴァーナス」も、MPB部門でのアルバム賞を受賞している。
また、最優秀男性歌手が国民的スーパースターのロベルト・カルロス、最優秀女性歌手がサンバの大御所アルシオーネ。シコ、ロベルト、アルシオーネは、いずれも年齢が70歳を超えている。最優秀ドゥプラ(デュオ)を受賞したセルタネージャの大御所、シタンジーニョ&ショロローも60歳以上だ。
この賞では、若者に人気のダンス・ミュージックのファンキや、若者向けにアレンジされたセルタネージャなどがノミネート対象にさえならないなど、他の音楽賞と一線を画したものとなっているが、その中で最優秀アルバム賞を受賞したのは、ロックバンド、アス・バイーアス&ア・コジーニャ・ミネイラの「ビシャ」だった。
彼らは2011年にサンパウロの大学で結成されたというから、30歳前後の若いバンドだが、彼らはガル・コスタやミルトン・ナシメントといった、それこそ、この賞と相性の良さそうな60~70年代のMPB黄金期から活躍するMPBの大御所アーティストに強い影響を受けたというから、「継承者が現れた」ことが歓迎されたか。受賞はある意味妥当かもしれない。実際、ここで名前をあげたガル・コスタも、今回、MPB女性歌手部門で受賞している。
また授賞式では、2017年に癌で世を去ったブラジルの黒人歌手の第一人者、ルイス・メロジアの追悼パフォーマンスも行われている。(15日付G1サイトより)