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ブラジル大統領選=立候補者13人の資産総額8億レアル(240億円相当)超=上位2人で全体の96%=「保有資産ゼロ」と届出の候補も

13人の大統領選立候補者中、最大資産を保有するジョアン・アモエド氏(Rovena Rosa / Agencia Brasil)

13人の大統領選立候補者中、最大資産を保有するジョアン・アモエド氏(Rovena Rosa / Agencia Brasil)

 ブラジル大統領選の全13候補者の申告資産総額は8億3380万レアルに上ったと、15、16日付現地各紙・サイトが報じた。

 資産トップは、4億2500万レアルのジョアン・アモエド氏(ノーヴォ)で、2位は3億7750万レアルのエンリケ・メイレレス氏(民主運動・MDB)だった。2人だけで、8億レアルを超え、13人の総資産のほぼ96%となる。両者に共通しているのは銀行業界でキャリアを築いた事だ。

 アモエド氏はツイッターで、「自分は勤勉に働いて資産を築いた」とコメント。メイレレス氏はコメントしなかった。

 今年の選挙から、企業献金で選挙費用を賄う事が禁止されている。献金は個人に限られ、その額も1年前の収入の10%以内に限定される。だが、立候補するポスト別に定められた上限金額の範囲内ならば、各候補者は、自己資産を選挙活動につぎ込む事が出来る。

 大統領職の場合、10月7日の第1回目投票までで7千万レアル、同月28日の決選投票にもつれこんだ場合はさらに3500万レアルまで、使う事が出来る。

 候補者たちの資産合計は、今年度予算の政党助成金8億8800万レアルとほぼ同額だ。これは各政党の運営資金を補助する目的の金だが、選挙の行われる今年は選挙資金に使われる事が濃厚だ。また、今年の選挙は、昨年成立した17億レアルの選挙ファンドが使われる初の選挙でもある。

 資産3位は860万レアルのジョアン・グラール・フィーリョ氏(自由祖国党・PPL)で、4位には800万レアルのルーラ氏(労働者党・PT)が入った。ルーラ氏が最後に大統領選を戦った2006年の申告資産は83万9千レアルだから、12年間で9・5倍になった計算だが、06年の数値も今年の数値もあくまで自己申告額だ。

 5位は610万レアルのジョゼ・マリア・エイマエル氏(キリスト教民主・DC)で、6位は290万レアルのアルヴァロ・ジアス氏(ポデモス)だ。7位から9位まではジャイール・ボルソナロ氏(自由社会党・PSL)220万レアル、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)170万レアル、ジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)140万レアルなど、有力候補が続く。

 マリーナ・シウヴァ氏(持続ネット・Rede)は11万9千レアル、ヴェラ・ルシア氏(統一社会労働党・PSTU)が2万レアル、ギェルミ・ボウロス氏(自由と社会党・PSOL)が1万5千レアルと続き、最下位のカボ・ダシオロ氏(愛国者党)は所有資産ゼロと申告した。

 ただ、あるブラジル紙は、「2015年から月給3万3700レアルの連邦下議を務めるダシオロ氏の資産がゼロとは」と意味深な論を展開。「ブラジル法は緩く、申告資産が実際と異なっていても、ほとんど罰を受けない」とも指摘している。