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《ブラジル》大手精肉4社=第2四半期40億レアル(1200億円相当)の損失=5月のトラックストや為替の影響が大きく

今年第2四半期の精肉部門は大きな損失を計上した(参考画像・Agencia Brasil)

今年第2四半期の精肉部門は大きな損失を計上した(参考画像・Agencia Brasil)

 Minerva、JBS、BRF、Marfrigの精肉大手4社の第2四半期の収支決算は、計40億レアルの純損失になったと、16日付現地紙が報じた。

 4社の収支は、5月下旬に発生したトラックストのほか、とうもろこし価格の高騰や為替変動による生産コスト上昇の影響を受けた格好だ。

 精肉業界の中でも、鶏肉、豚肉部門への影響がとりわけ大きかったJBSの子会社Seara社は、1億1300万レアルの純損失を計上。親会社のBRFの損失は7500万レアルだった。

 経済関係者は、「精肉会社の利益は、原材料や製品の輸送が順調に行えるかどうかにかかっている。5月のトラックストではそれが11日間もストップした。この影響は甚大」と分析している。

 ブラジル動物性タンパク質協会(ABPA)は、鳥肉、豚肉類、鶏卵製品及び遺伝子組み換え製品が受けた、ストによる被害を31億5千万レアルと見積もっている。

 BRFのロリヴァル・ルス副社長は、餌が不足し、期待通りに家畜が育たなかったり、卵を産まなかったりした場合の損失は計算が難しく、「実際の損失はもっと大きい可能性もある」と語っている。

 牛肉部門は鳥や豚に比べて影響が少なかったが、スト期間中は屠殺頭数も減った。Marfig社の場合、今年第2四半期は8万頭の牛がストのせいで屠殺出来ず、損失は5億8200万レアルに上ったとしている。

 ブラジルの食品業界は、ストの前と後で、全株式公開会社の株式の時価総額が1700億レアル分も落ち、石油業界に次いで、損害が大きかった分野となった。