ブラジル連邦政府が鉄道運営委託会社と結んだ、国内五つの貨物列車路線の運営権委託期間の延長合意は違憲だとして、ブラジル連邦検察庁が訴訟を起こしたと、17日付現地紙が報じた。
五つの鉄道は規模も敷設場所も様々で、それぞれ、別会社が運営している。政府が昨年出した、契約期間延長に関する暫定令は、その後、議会によって承認され、法令となっている。
検察庁はこの暫定令自体が、「委託会社への要求を下げ、運営期間の延長を前提にしたもの」と批判しており、合意の即時無効を求めているが、連邦政府は、正式署名への準備を進める意向だ。
政府の立場に沿って動く国家機関、国家陸路運輸庁(ANTT)のマリオ・ロドリゲス局長は、「MPFから合意は無効との要請が出ているが、当庁は当庁の役割を果たす」と述べた。
問題の5路線は、ルーモ・マーリャ・パウリスタ(サンパウロ州)、カラジャス鉄道(マラニョン~パラー州)、ヴィトリア・ア・ミナス鉄道(エスピリトサント~ミナス州)、セントロ―アトランチカ鉄道(北東部、中西部、南東部の7州)、MRSロジスチカ(南東部の3州)だ。5線では320億レアル以上の追加投資が約束されている。
しかし、運営会社が1990年代に約束した投資さえ行っていないと、検察庁は指摘。ANTTも、ルーモ・マーリャ・パウリスタ運営のバンデイランテス鉄道株式会社相手に147件もの訴訟を起こしている。