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冬の風物詩=聖南西に盆踊りシーズン到来=ピラール文協で500人が楽しむ

 サンパウロ州ピラール・ド・スール市の同市文化体育協会(阿部勇吉会長)は11日、同協会会館にて『第45回盆踊り』を開催した。日系人を中心に約500人が来場し、冬の風物詩である盆踊りを楽しんだ。同文協での開催を皮切りに聖南西地区では今後、毎週のように盆踊りが開催される。

 午後6時。日も暮れ、文協敷地入り口から会館まで続く提灯に灯が点り始めると、浴衣姿の子供たちが両親に手を引かれ会館に集まり始めた。外は寒いが、会館内は同協会名物の焼きそばを作る際の熱気と人いきれで暖かい。会館内には矢倉が設置され、その周りを揃いの法被を着た文協会員らが囲む。相馬盆唄や炭坑節、チャンチキオケサにあわせて盆踊りを始めると、次第に子供達やブラジル人らも加わっていき、やがて矢倉の周りには三重の踊りの輪ができていた。

 1973年から続く同協会の盆踊りは聖南西地域で最も古い歴史を持つ。会場にはアントニオ・ジョゼ・ペレイラ市長や聖南西文化体育連盟の山村敏明会長も訪れ、地域社会の交流の場となっていた。

 同地で育ったヴィニシウス・セイゾウ・マルヤ・マルチンスさん(20、四世)は、イタペチニンガの大学で出会ったブラジル人の彼女と来場。盆踊りを知らない彼女に由来や楽しみ方を教えながら祭りを楽しんだ。「盆踊りは子供の頃からの楽しみ。いつまでも続いて欲しい」と話す。

 午後10時、矢倉から祝いの餅まきを行って閉会。無事に大会を終えた阿部会長は「今年はブラジル日本移民110周年の節目の年だけでなく、聖南西文化体育連盟創立70周年、ピラール文協設立65周年のめでたい年。そういう年に盆踊りが出来て、色々な人が交流を深めている姿を見ると嬉しくなる。協力してくれた皆さんにお礼を言いたい。これからも続けられるよう頑張らなければ」と笑顔で語った。

 聖南西地区では今後、18日にレジストロ日伯文化協会がレジストロ本派本願寺で盆踊りを行い、以降9月22日にイビウナ文協、同月29日にピエダーデ文協、10月20日にソロカバ文協、同月27日にカッポン・ボニート文協、11月1、2日に再びレジストロ文協、同月24日にヴァルゼン・グランデ・パウリスタ文協が盆踊りを行う。