北東部セアラー州の州都フォルタレーザ市では、昨年の6月以降、133世帯が「犯罪組織に家を追われた」との訴えを同州公選弁護人事務所(Defemsoria Publica、DP)に出していると、20日付現地紙が報じた。
犯罪組織からの報復を恐れて、治安当局に助けを求めない人もいる可能性があり、マリアナ・ロボDP所長は、「実態はもっと多いかもしれない」としている。
同市では、ブラジルでも有数の規模の二大犯罪組織、州都第一コマンド(PCC・サンパウロ州本拠)とコマンド・ヴェルメーリョ(CV・リオ州本拠)に加え、地元組織のグアルディオンエス・ド・エスタード(GE)が麻薬密売拠点を巡って抗争を続けている。
また、フォルタレーザ市は、北東部9州の州都の中で、人口10万人当たりの殺人発生率が77・3と、最も高い。州別でも、セアラー州は59・1で、ブラジル全ての州と、連邦直轄区中で3番目だ(ブラジル全体の平均は30・8)。
犯罪組織は、地域住民のリーダー的存在で、組織の活動の邪魔になる、または敵対組織と繋がっていると目をつけた一家に出て行くよう脅迫している。
DPを支援している社会学者チアゴ・デ・オランダ氏は、犯罪組織は、その地域に長く住む人、もしくは、政府の住宅保護政策を利用して最近引っ越してきた人々を狙って追い出していると分析している。
同州DPは6月に、ロベルト・クラウジオ市長と共同で、犯罪組織に住む家を追われた人々にどんな支援が出来るかを調査することを約束した。