日本の公正取引委員会にあたる、ブラジルの経済防衛審議会(Cade)は、東芝とMTピクチャー・ディスプレイ社(パナソニックの子会社、以下MTP)が、テレビやパソコンモニターのブラウン管の製造、販売でカルテルを行っていたとして、合計490万レアル(およそ1億3700万円相当)の制裁金の支払いを命じたと、22日付、ブラジルニュースサイト、アジェンシア・ブラジルが報じた。
両社によるカルテル行為は1995年から2007年にかけて国際的に行われたもので、Cadeはブラジル市場にも影響を及ぼしたと断じた。
Cadeは、両社の間で価格協定、市場の譲り合い、情報交換、生産量制限が行われたことをブラジル検察が証明したとしている。これらの合意は、電子メールや代表者同士の面会によって結ばれたとCadeは発表。カルテルはブラジルの輸入業者やブラジル人消費者の利益を損なったとしている。
不正の証拠は主に、Cadeがテレビやコンピューター関連会社8社やその関係者と結んだレニエンシア合意(企業版の司法取引。捜査に協力することで減刑を得る行為)によって得られた。
MTP弁護側は、レニエンシアの合意内容に不備があるとした他、MTPが積極的にカルテルに関与した事を原告は証明できていないと主張。同社によると、同社製品のブラジル国内での販売量は少なく、価格に影響を与えるほどではなかったとしている。
東芝弁護側も、ブラウン管生産は2003年に停止しており、1994年10月から2002年11月にかけてのブラジルへのブラウン管輸出量は少なすぎて、カルテルを形成できるほどではなかったと主張している。