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《ブラジル》クロノス作戦=女性殺人や殺人の大型摘発=6600人出動し、1027人逮捕

 24日、全国の市警が一斉に、女性殺人や殺人ならびにその未遂事件に関わった人物を検挙、逮捕する「クロノス作戦」を実行した。同日付現地紙サイトによると、出動した市警は約6600人で、午後5時現在の逮捕者は連邦直轄区も含む17州で1027人、未成年者も75人が拘束されている。

 同作戦は治安省の支援で行われ、市警幹部の全国審議会がコーディネートした。市警全国審議会議長のエメルソン・ウェンディ警部が午前中の会見で語ったように、同作戦の逮捕者は1千人を超えた。同警部は会見で、「この作戦は女性殺人撲滅に焦点を当てたもの」としている。

 ラウル・ジュングマン治安相によると、今回の作戦は、治安省と司法当局の協力を得た警察が、治安統一システム(Susp)を駆使する事で可能になったという。

 今回の作戦は7月の会議で実施が決まったもので、女性殺人を中心とした暴力行為撲滅と、マリア・ダ・ペーニャ法による女性保護のための措置を保障する目的で行われた。今作戦では、性的犯罪や女性殺人の現場や被害者から採取された遺伝子情報なども使われた。同種の情報は来年末までに13万件に増える見込みだという。

 作戦名の「クロノス」は時間を司る神の名前で、犯罪者によって断ち切られた被害者の命や時間を象徴している。

 午前11時までに約100件の令状が執行されたパラナ州では、ロンドリーナ市で昨年、妻に放火した容疑の70歳の男性逮捕など、女性殺人、妻や交際相手への脅迫や侮辱、傷害、裁判所がマリア・ダ・ペーニャ法に基づいて下した保護的措置への不服従の容疑がかけられた人物逮捕や家宅捜索が行われた。

 リオ・グランデ・ド・スル州サンタクルース・ド・スルでは、12日に行方不明になり、翌日に遺体で発見された24歳の女性を強姦、殺害した容疑で58歳の男性が逮捕された。容疑者は前科もなく、被害者との関係もなかったが、容疑者の遺伝子情報と被害者の体内から採取された遺伝子情報が一致した。警察は、別の人物が関与した可能性の有無を探るため、被害者の衣服の鑑定結果を待っている。同州では午前11時の時点で20人を逮捕、未成年者3人の身柄を拘束と発表していたが、午後5時の時点では逮捕者の数が43人に増えている。