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ニカラグアでブラジル人逮捕=オルテガ大統領への抗議集会中に

 ダニエル・オルテガ大統領への抗議行動が繰り返され、政情不安が続くニカラグアで25日、抗議行動の様子を撮影しようとしたブラジル人のドキュメンタリー作家が当局に逮捕される事件が起きた。

 逮捕されたエミリア・メロ氏は、抗議行動そのものに参加していたわけではなかったが、抗議行動の様子を撮影しようと準備していた時に、約20人の学生と共に逮捕されたという。

 同氏はブラジル国籍とアメリカ国籍を持っているため、26日に国外追放された後、最初はエルサルバドルに行ったが、その後は米国に向かう。

 同氏逮捕は人権団体や文化活動を擁護する団体からの批判を呼んだ。その一つはニカラグアの映画撮影協会で、今回の逮捕は、表現の自由を束縛し、報道内容を規制するものに他ならないとした上で、「今回のような事件が起きれば、ニカラグアで何が起きているのかを記録し、人権侵害の実態を撮影しようとする写真家や映画監督などが入って来なくなる」と警告した。

 同国での人権侵害については、24日も米州機構の人権委員会が、同国では4月18日以降、オルテガ大統領への抗議行動が繰り返され、抗議行動にまつわる死者は322人に達したと発表したばかりだ。死者の内、21人は警官で、23人は子供や青少年だという。

 オルテガ大統領は、学生や農業生産者、人権保護団体、企業家団体などの市民団体やカトリック教会が出している、選挙を前倒しするようにとの要求を無視している。

 同大統領は同国の独裁政権を倒した1979年のクーデターのリーダーの一人で、このところ、自分自身が追い落とした独裁者と同じ道をたどっていると、批判を浴びている。

 オルテガ大統領は2016年の選挙で再選されたが、この時の選挙では国際団体からの監視団を拒絶しており、反体制派が選挙の有効性を疑問視している。(26日付アジェンシア・ブラジル、同G1サイトより)