サッカー南米ナンバーワンクラブチームを決めるリベルタドーレス杯で、第1試合の結果が0対0なのか、0対3なのか分からないまま、第2試合当日(28日午後7時半開始)を迎えるというお粗末な運営が露呈した。
事の発端は、ホームアンドアウェー方式で争われる決勝トーナメント一回戦第1試合として、アルゼンチンのインデペンディエンテとブラジルのサントスFCが21日に対戦したこと。
インデペンディエンテの地元で行われた試合は0対0の引き分けに終わったが、その後インデペンディエンテ側が「サントスFCは出場停止処分未消化のカルロス・サンチェスをプレーさせた」と南米サッカー連盟(Conmebol)に訴えたのだ。
出場停止処分の選手を出場させると、そのチームは自動的に0対3で負けになる。そうなら、サントスFCは28日の第2試合で4点差以上つけて勝たなくては準々決勝に進めない。だが0対0の試合結果が認められると、1点差でも勝てば準々決勝行きとなる。
カルロス・サンチェスがサントスFCに加入したのは今年の7月で、出場停止処分は3年前に別のチームに所属していた時に受けたものだった。
他にも、2016年に同連盟が設立100周年の特別措置として全選手の出場停止処分を半減させていたことに加え、サントスFC側は「試合前に連盟の電子システムで確認したが、そこにはサンチェス出場可能と出ていた」と主張するなど、事態を複雑にする要素が重なった。そのため、同連盟は第2試合の行われる28日の朝まで決定を下せずにいた。
ブラジルメディアは、「アルゼンチンの別のチームが出場停止の選手を7試合も出場させておいて、『連盟の電子システムで確認したらOKと出ていた』と主張したらお咎めなしだった。サントスFCだけ処分されるのは筋が通らない」と、サントスFCを庇う論を展開した。
しかし、当日の朝に下された処分は、「サントスFCの規定違反により、第1試合の結果は3対0でインデペンディエンテの勝ち」だった。
南米1を決めるリベルタドーレス杯の決勝トーナメント、ライバル国のアルゼンチンチームとの対戦、チケット完売と、試合を熱くする要素は揃っている上に、試合当日になっての「第1試合は0対3で負け」の電撃決定と、ファンの興奮は否が応でも高まっている。
喧嘩沙汰の危険性もあるなか、サントスFCは公式ツイッターで、「納得できない気持ちは分かります。しかし、今夜スタジアムに来てくれるファンの皆さん、対戦相手への敬意だけは忘れないでください。彼らも我々と同じ、サッカーをプレーする選手たちと、それを応援するファンなのです。この理不尽な決定は彼らのせいではないのです」と異例の呼びかけを行っている。(※記事出稿28日午後5時、28日付ブラジル各紙、スポーツニュースサイト、サントスFC公式ツイッターアカウントより)