ブラジル連邦検察庁(PGR)は27日、労働組合の承認手続きにおいて不正に便宜を図り、引き換えに賄賂を受け取っていたとして、26人の政治家らを最高裁(STF)に起訴したと、27、28日付現地紙、ニュースサイトなどが報じた。
起訴された26人の中には日系ブラジル人のヨムラ・エウトン前労相、ブラジル労働党(PTB)のロベルト・ジェフェルソン党首とその娘のクリスチアーネ・ブラジル下議(PTB)、さらに、ジョヴァイール・アランテス、ウィルソン・サンチアゴ・フィーリョ、ネウソン・マルケゼッリ(ここまでPTB)、パウリーニョ・ダ・フォルサ(連帯・SD)の4人の下議が含まれている。
同件のSTF報告官はエジソン・ファキン判事が務める。起訴状が受理されると、彼らは正式に被告となり、刑事法廷で裁かれる。
連警は5月、労働省関係者による労組の不正登録を暴く、〃偽登録作戦(RE)〃を発動、4月から労相の座にあったヨムラ氏は、同作戦で嫌疑がかかり、7月に辞職に追い込まれていた。
登録が認められた労組には、労働省から自動的に補助金が下りるので、早く承認されれば、早く補助金がもらえる。捜査によると、政治家らは組合に賄賂を要求し、その見返りとして省内で口利きをして登録の列に並ぶ順番を特別に早くさせていた。
検察庁は犯罪グループを五部門に分け、うち四つ(運営、政治、組合、集金)に関与していた容疑者を起訴した。
起訴状には「労働関係局の労組承認手続きは複雑で、大変な時間がかかる。だから、組合は政治家を使って手続きを早めようとする。政治家が求める賄賂の支払いを組合が拒否したら、(手続きに時間がかかった上)承認されないことも少なくない」とも記されている。
「運営部門」にあたるのは、内規を無視し、政治家に賄賂を払った労組の承認請求手続きを早めていた省職員だ。検察庁は「組合に買収され、ロビイストと交渉し、犯罪行為で金を生み出し、それを隠す。政治家の汚職パターンそのもの」と断じている。
ラケル・ドッジ長官は「政治部門」の役割を、共犯者を省内の主要ポストに指名することだったとした上、「2016年以降、労働省自体がPTBとSDに牛耳られてきた」とも発言した。
検察庁は、容疑者の公職追放、公費への損失の賠償を求めると共に、損害賠償として最低400万レアル、公職者倫理違反の罰金として最低400万レアルを請求した。ただし、ジェフェルソン党首やクリスチアーネ・ブラジル下議などはそろって嫌疑を否定、ヨムラ氏はコメントしなかった。