ブラジル地理統計院(IBGE)が29日、7月1日現在でブラジル国内に住んでいるベネズエラ人は3万800人と発表した。この内の1万人は、今年の上半期に入国した人達だという。
この数字は連邦警察がまとめた移民関連のデータを基にして算出されたもので、統計を開始した2015年は、国内在留のベネズエラ人は1千人と報告されていた。
ベネズエラ人が急増した理由は、ベネズエラにおける政治的、経済的、社会的な危機に他ならない。同国ではこの3年間で、体制派と反体制派との抗争や、年100万%とも言われる超ハイパーインフレ、生活必需品も含む物資の供給不足などが続いている。
IBGEは、実際に入国した記録があるベネズエラ人の数に、出生率や死亡率などを考慮して、先の数字を算出した。また、ベネズエラ人の99%は、ロライマ州のボア・ヴィスタやパカライマに住んでいるという。
ロライマ州の人口は57万6600人で、州都のボア・ヴィスタには37万5400人が住んでいるとされているから、ベネズエラ人は州都の人口の8%以上を占めている事になる。
ロライマ州の知事のスエリー・カンポス氏は22日、国境を越えてパカライマ市に入ってくるベネズエラ人は1日800人に上り、州内の学校に在籍中のベネズエラ人子弟は1484人に上り、同州の医療機関で診察や検査などを受けた人の数は延べ7457人などの数字を挙げた。また、州内の刑務所に収監されているベネズエラ人は99人おり、1人につき、2014・58レアルの経費が発生している事なども列挙し、具体的な対応を取るよう求めた。
同州知事が提出した要請には、ベネズエラ人急増に伴う諸経費として1億8422万1179・38レアルを支払う事、ボア・ヴィスタに野戦病院を即時開設する事、消防車5台の寄贈、ボア・ヴィスタやパカライマで巡邏活動を行う軍警用の警察車両50台の寄贈、市警の活動を活性化し、諜報・捜査活動を拡大するために市警用の車両20台の寄贈、平和維持部隊の派遣強化などが含まれている。(29日付G1サイトより)