日本政府(文部科学省)による国費留学生12人が来月に訪日するのを前に、8月28日、在聖総領事館で歓送会が行なわれた。12人は学費免除と生活費補助を受け、日本語や日本文化、自身の専門などを勉強する。
野口泰総領事は「日本は多様性に富んだ国。ぜひ自分が住む街を良く観察して親しんでほしい」とし、「天皇陛下が退位なされ日本は変化の時期になる。そういった中で経験を積んで活躍してください」と激励した。
ブラジル日本語センターの日下野良武理事長は乾杯の挨拶で「日本のことをデータで知るだけでなく五感で感じてほしい。たくさんの友達を作ってください」とエールを送った。
サンパウロ大学で日本文学を研究しているタレス・カルバーリョ・クレマスチ・バウメルさん(26)は東京学芸大学で1年間学ぶ。「東京は日本や世界の文化が集まる場所。そこに住んでみたいと思った」と流暢な日本語で話した。
高校の時にアニメが好きになったのがきっかけで日本語を勉強し始めた。卒業後、カンピーナス大学で情報科学を専攻しながら、日本からの留学生と交流し日本語の会話に慣れていった。在学中、日本語や日本文学を学びたいという自らの気持ちに気づき退学。日本語と日本文化を専門的に学べるサンパウロ大学に入学しなおした。
バウメルさんは今まで日本に一度も行ったことがなく、「留学で1年も過ごせるのは夢のよう。本当に楽しみ」と目を輝かせる。「日本で勉強したあとはサンパウロ大学を卒業し、日本の大学院で修士課程を学びたい」と将来の目標を語った。
リオグランデ・ド・スル大学で地球科学を学ぶエミリア・アンジョス・タナアミさん(22、3世)は12歳のときに半年間日本語学校で学んだ後、独学で日本語を勉強した。さらに日本語を習得するために東京外語大学で1年間学ぶ。
「将来的には日本で地球科学の勉強をしたい。日本は地震があって研究対象としてとても興味深い。まずは1年間しっかり日本語を勉強します」と意気込んだ。