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ブラジル住友=ブラジル南部鉄道経営参加に向けて交渉=ブラジル南部の農産物運ぶ大動脈=地元紙報道、三菱商事、中国交建も

「ブラジル住友商事がルモ社と交渉」と報じる、30日付エスタード紙

「ブラジル住友商事がルモ社と交渉」と報じる、30日付エスタード紙

 ブラジル住友商事(以下「ブラジル住友」)が、サンパウロ州以南4州をつなぐ南部鉄道(Malha Sul)への資本参加に向けて交渉中と、30日付ブラジル地元紙が報じた。

 ブラジル連邦政府からの委託を受けて南部鉄道を運営しているのは、コザン・グループ傘下のルモ(Rumo)社だ。コザン・グループはエタノールや砂糖生産から始まり、国内最大級の企業グループに成長した代表的な農業関連会社の一つ。その輸送部門がルモ社だ。

 ルモ社は南部鉄道への設備投資の資金を得るため、数カ月にわたり、投資希望の各社と交渉を重ねてきた。その一つがコザン・グループとエタノール関連事業で提携関係にあるブラジル住友だ。競合関係にあるブラジル三菱商事、中国交通建設(CCCC)よりも優位だと地元地は見ている。

 中国交通建設は、ブラジル建設会社コンクレマット社の大株主で、マラニョン州サンルイス港の運営権も取得するなど、ブラジルのインフラ事業へ積極的に参画している中国の国有企業だ。

 地元紙は複数情報筋の話として、ブラジル住友は、南部鉄道の経営権の30%取得を目指していると報じている。

 総距離7208キロの南部鉄道は、ブラジル南部で収穫される穀物の輸送戦略の中心的役割を果たす大動脈だ。輸送物資の半分は農産物だが、設備の老朽化も進み、近年は輸送総量も落ち込み気味だ。今後数年間のうちに60億レアルの設備投資が必要と報じられている。

 地元紙は「ブラジル住友との交渉は、ルモ社と連邦政府との南部鉄道運営権委託期間の延長交渉に左右される」とする。現在の同運営権委託契約は2027年で期限切れとなる。延長されなければ、外部から資本参加する意味がなくなる。

 南部鉄道の一部であるサンパウロ州内区間の運営委託期間の延長交渉は、今年中にも決着すると期待されている。サンパウロ州区間の契約延長が注目されているのは、これが成立すれば南部鉄道の他の区間も契約延長されるだろうと市場が見ているからだ。同区間の運営権委託期間は2028年に終了するが、交渉が成立すればそれが30年間延びる。

 「政府との交渉は進んでおり、数カ月中に合意発表できるはず」とのルモ社関係者の談話を地元紙は紹介した。

 ルモ社とブラジル住友間の交渉は価格のすり合わせの段階で、ブラジル住友と親会社のコザン・グループとの友好関係から、ルモ社は交渉の行方を悲観していないようだと地元紙は報じている。