8月29日の「国際禁煙デー」にちなみ、ブラジルでも喫煙に関する記事が出ているが、閉鎖空間での喫煙禁止や税負担引き上げなどが奏功し、職場での受動喫煙は44・6%減ったと同日付現地紙サイトが報じた。
「慢性病の危険度や保護に関する電話調査」は連邦直轄区と州都で行われ、5万3034人が回答。2009年と17年を比べると、職場での受動喫煙者は12・1%から6・7%に減った。
受動喫煙は、周囲の人が吸う煙草の先から上る副流煙を吸う、間接的な喫煙をさす。副流煙は煙草を吸う時の3倍の有害物質を含み、健康被害が大きい。具体的には、肺ガン発生率は2倍、心筋梗塞発生率は4割増になり、白内障や糖尿病を起こす率も高い。妊婦が喫煙を続けると早産や未熟児出産となる可能性が高く、乳児期から呼吸器疾患や耳の炎症などを起こし易い。幼くして死亡する例も出ている。
職場での受動喫煙を男女別に見ると、男性は17%が9・6%に43・5%減った。女性は7・9%が4・3%に45・6%減っている。男性の受動喫煙者は45~54歳が多く、女性は35~44歳が多い。また、男女共、高学歴者ほど受動喫煙が少ない。これは、低学歴者の喫煙率が13・2%だったのに、12年以上就学した人の喫煙率が7・4%だった事と関係がありそうだ。
職場での受動喫煙者最少はポルト・アレグレの3・7%で、最多はポルト・ヴェーリョの9・7%だった。男性の受動喫煙率は5・2%~14・5%、女性は2・1%~6・4%だった。
一方、家庭内での受動喫煙は、12・7%から7・9%に37・8%減少した。性別で見ると、男性は11・9%から7・4%に37・8%、女性は13・4%から8・4%に43・3%減少した。
家庭内での受動喫煙者が多いのは、男性が25~34歳、女性は18~24歳だった。市別の受動喫煙最多はマカパーの10・4%、最少はパウマスの5・2%だった。