公益社団法人日本詩吟学院ブラジル支部(芝紘岳支部長)は、支部創立10周年を記念し、9日、サンパウロ日伯援護協会傘下のサントス厚生ホームを訪れ、記念公演を行った。
日本詩吟学院は、近代吟詠の祖と称される木村岳風が創設した詩吟の一流派。同支部は、移民百周年の時に本部の直轄として国外第一号の支部に認定され、今年で10周年を迎える。
芝支部長は「移民がブラジルの第一歩を踏んだサントス。移民110周年で創立10周年の節目に、この地で何か社会に役立てることはないか」として、同施設での公演を企画したという。
当日はサンパウロ市、モジ市教場の会員ら15人が訪問。公演は約1時間近くに及び、踊りに始まって、詩吟数曲を披露。最後は石川丈山の漢詩「富士山」の解説とともに、吟詠の仕方をともに学び、富士山が目に浮かびそうな情緒豊かな詩に、入居者は郷愁を癒した。
その他、手製しおりや折り紙、お菓子などが手土産として準備され、金一封2千レアル、バスタオル60本が同施設に寄贈された。
報告のために来社した芝支部長、詩吟歴30年以上の佐藤宏岳さん、西田等風さんは「詩吟は珍しがられ、入居者の方も心待ちにして下さっていた。楽しんで頂けてよかった」と振返った。
同会はサンパウロ市、モジ市に教場があり、ベレンでも新たに教場が立ち上がる予定。吟詠体験に関心のある方は、稽古に参加も可能。サンパウロ市教場(Rua Carlos Gomes, 67)の8階I室で、毎月第2、第4月曜日の午後1時半~4時まで。問合せは、芝支部長(11・4724・8197)まで。