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リオ市長がマリエーレ市議の法案裁可=アルゼンチン上院も同市議を顕彰

 リオ市のマルセロ・クリヴェラ市長が5日、3月14日に射殺されたマリエーレ・フランコ市議が提出していた法案を市条例として裁可し、同日付官報に掲載したと5日付現地紙サイトが報じた。

 この条例は、リオ市内で行われているケアサービスを受けようとする女性が置かれている状況に関する定期的な統計作成を規定するものだ。

 同条例は、被害者が女性である暴力行為に関する全てのデータを集計して分析するよう定めている。また、そのためにはリオ市役所の全部局ならびに同市と関わりのある機関全てが体系化され、手続きなども標準化されるべきとしている。データの集計や分析は市保健局と人権社会局が担当し、その全てを「リオ市の女性白書」として集積する。また、全市民がデータにアクセス出来るようにする事も定められている。

 マリエーレ市議とその運転手のアンデルソン・ゴメス氏は、3月14日にリオ市中央部で、追尾してきた車からの射撃を受けて即死した。

 マリエーレ氏ら襲撃事件に関する捜査は、現在もリオ市警殺人課が継続しているが、事件から6カ月近くが経つ今も、具体的な犯人像などは何も明らかにされていない。

 なお、この条例が裁可された5日には、アルゼンチンの上院が特別セッションを開き、マリエーレ氏の未亡人で設計士のモニカ・ベニシオ氏を招いて、マリエーレ氏を顕彰する時を持った。

 この特別セッションは現地時間の午後5時半から始まり、軍政時代、獄中で産んだ子供を強制的に養子に出されたり、誘拐されたりした母親や祖母による「5月広場の母」と呼ばれる市民活動団体の創始者や、女性の人権を擁護するための活動を行っている社会運動家、人権団体のメンバーなども参加した。

 ベニシオ氏によれば、アルゼンチン議会での顕彰は、事件後に起きた数々の国際的な支援行動の一つだ。アルゼンチンに向かうために空港に赴いたベニシオ氏は、「マリエーレ殺害は重大な人権侵害事件だ。いくつもの国が、あの事件で何が起きたのか、ブラジルがどのような応答をするのかを知りたがっている」との言葉を残して機上の人となった。