世界保健機関(WHO)が4日、英字誌「ランセット・グローバル・ヘルス・ジャーナル」に寄せた論文によると、ラテン・アメリカ諸国の成人人口の39%は運動不足である事がわかった。5日付現地紙・サイトが報じている。
ラテン・アメリカ諸国の中でもブラジルの運動不足率はトップで、成人人口の47%にのぼる。ブラジルはここ15年間で「運動不足の人口比率」がもっとも高まった国の一つで、同比率の世界ランキングでも5位と高い。男女別で見ると、女性のほうが運動不足の割合が高く、53%を占めている。
南米大陸の中ではウルグアイ、チリ、エクアドルの比率が低く、それぞれ、成人人口の22、26、27%ほどだ。
WHOは世界168カ国、190万人を対象に調査を行った。それによると現在、世界中では女性の3分の1、男性の4分の1が充分な運動を行っておらず、14億人以上が運動不足を原因とする病気にかかりやすくなっていると警告している。運動不足で発症率が高まる病気には心血管疾患、糖尿病、認知症、ガンなどがある。
WHOは適度な運動量を「週に150分の軽い運動」か「週に75分の激しい運動」と定めている。軽い運動はウォーキングなどで、片道15分の道のりを週に5回往復すればWHOの基準に達する。軽い運動には他にも、自転車をこぐ、水中エアロビクスなどがあり、激しい運動にはランニング、動きの激しいスポーツなどがある。