【既報関連】2日夜起きたリオ市国立博物館の火災は世界中の注目を集め、国内外からも焼失した資料に関する情報や火災に関する報道への反応が寄せられている。
6日付G1サイトによると、同博物館副館長のクリスチアナ・セレジョ氏は同日、2千万点を超えるとされる博物館の所蔵品中、別館に保存されていた植物や脊椎動物、無脊椎動物のコレクションや、図書館の蔵書50万冊など、100万点は無事と発表した。また、今後数カ月以内に寄贈される予定の品もあり、再建後も、従来からの品も含め、ある程度の展示物が確保されているとの見解を表明した。
また、壁だけが残った本館は、3D画像を描く特殊なスキャナーや無人飛行機を使ってより正確な採寸が行われており、再建に向けた作業も始められている。
また、5日付アジェンシア・ブラジルは、ベルギーなど、複数の国が支援を申し出ている事や、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)関連機関の文化財保存修復研究センターが研究員達を派遣し、同博物館の所蔵品の保存や修復に関する調査を行う予定である事などを報じた。連邦政府は複数の省庁にまたがる委員会を設け、国外からの支援受け入れなどの作業に当たる意向だ。
博物館側は火災後、消防の基準に沿った防災対策を採っていたと釈明したが、5日にはリオ州消防局が同博物館は消防が定める安全基準を満たしていなかったと正式発表した。だが、違法営業と知りながら同館を閉鎖させなかった理由などは明らかにされていない。
なお、火災時には、燃え盛る炎にあおられ、焼けた書籍などの一部が数キロ先まで飛ばされたと多くのメディアが報じたが、5日にはその一部が住民の手で返却された。
また、同日は、メディアの報道で焼けた書類の一部を見た、国立博物館で修士論文を書いたというリスボン在住のポルトガル人が、映像の中に自分が書いた論文の一部が含まれていたと連絡してきたという。男性は、火災の報道に接し、火災発生と文化遺産消失に伴う悲しみと共に、何十年も前から警告されていた惨事を回避出来なかった事に対する恥ずかしさや憤りなどを感じたという。