ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》ベト前パラナ州知事を逮捕=上院選挙への出馬の最中に

《ブラジル》ベト前パラナ州知事を逮捕=上院選挙への出馬の最中に

疑惑の一つである州道の複車線化現場を訪れたベト氏(2015年3月、Orlando Kissner/ANPr)

疑惑の一つである州道の複車線化現場を訪れたベト氏(2015年3月、Orlando Kissner/ANPr)

 パラナ州前知事のベト・リッシャ氏(53、民主社会党・PSDB)が11日、クリチーバで逮捕された。11日付現地サイトが報じている。
 これは、同州検察局と軍警、市警、財務局、保安局からなる、組織犯罪対策特別班(Gaeco)の「ラジオ・パトルーリャ作戦」によるものだ。ベト氏の他、妻で同州社会開発局長だったフェルナンダ氏、同じくインフラ局長だった同氏の弟のペペ氏など、15人に逮捕令状が出た他、26件の家宅捜索令状も出た。同件では、11日15時までに12人が逮捕されている。
 パラナ州検察局によると、今回のベト氏逮捕は「パラナ州知事時代に行われた、農村部の公道の保守契約での不正入札」に関するものだ。ベト氏の1期目(2011~14年)の任期中、12~14年に行われた入札での不正と見られ、収賄や資金洗浄、捜査妨害などの嫌疑がかけられている。
 また、ベト氏は同日、LJ第53弾の「ピロット作戦」で、家宅捜査を受けた。これは同氏がオデブレヒト社から受け取ったとされる収賄についてのものだ。
 同作戦は、バイア州、サンパウロ州、パラナ州にまたがる不正に関するもので、パラナ州では、田園地帯での公私共同投資(PPP)事業で不正入札が行われたという。ベト氏は2014年、州道323号線の複車線化と保守契約で、オデブレヒト社から350万レアルの賄賂を受け取ったとして訴えられていた。同作戦では3人が逮捕されたが、ベト氏への令状は、家宅捜索のみだった。
 ベト氏は現在、パラナ州上院選挙に出馬中だ。4日に発表されたイボッピ(ブラジル世論調査・統計機関)の世論調査では28%の支持率を得て、2位(定員2人)だった。
 高等選挙裁判所の規程によると、投票日前の15日間、今年の場合9月22日からは、現行犯以外の出馬者は逮捕できなくなるため、その前に一時逮捕となったようだ。