11日、労働者党(PT)は大統領選の候補をルーラ元大統領からフェルナンド・ハダジ氏に正式に切り替えた。現状で10%前後の支持率を、残り3週間半あまりでどこまで上げられるかが注目されている。12日付現地紙が報じている。
11日、ハダジ氏はルーラ氏が収監されているパラナ州クリチーバの連邦警察前で正式な候補変更の会を行った。
そこでは、ルーラ氏の弁護士の一人、ルイス・エドゥアルド・グリーナウフ氏により、ルーラ氏が獄中から届けた「ブラジル国民への手紙」が読み上げられ、「私は心から、私に票を投じるつもりだった全ての人に、是非、ハダジ氏に投票するよう願いたい。今日からは彼が新しいルーラだ」との言葉が告げられた。
その数十分後には、ハダジ氏がPTの全国党大会で正式にPTの候補に選出されたとの発表も行われた。
これで、PTの大統領選のシャッパは、正候補がハダジ氏、副候補がマヌエラ・ダヴィラ氏(ブラジル共産党・PCdoB)になることが正式に決まった。
ハダジ氏は今後、ルーラ氏が保持していた30%台の支持率をいかに受け継ぐかが注目されている。
現在のハダジ氏の支持率は、10日発表のダッタフォーリャで9%、11日発表のイボッピ(ブラジル世論調査・統計機関)で8%となっている。
ハダジ氏は教育相やサンパウロ市市長をつとめた経験があるが、ダッタフォーリャの調査でも、全国でハダジ氏について知っている人は65%。その中には「名前に聞き覚えがある」という程度の人が27%含まれている。
全国的な知名度の低さは伸び代があることも意味するが、ルーラ氏が代替候補にハダジ氏を指名した場合も「ハダジ氏には絶対に投票しない」とする有権者は、ダッタフォーリャで49%、イボッピで53%と高い。
イボッピの調べでは、ルーラ氏の指名ならハダジ氏に「是非投票する」とした人が23%、「おそらく投票する」とした人が15%だった。この数字は、9月5日に発表された調査の結果とほとんど変わっていない。
ハダジ陣営はまず、北東部で強く、現在は支持率2位のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)の票を奪いにいく構えを見せているという。
それに対し、シロ氏は早速、ハダジ氏が再選を狙った2016年のサンパウロ市市長選で、ジョアン・ドリア氏に一次投票で敗れてしまったことなどを例に出して批判を行うなど、警戒を強めている。