ブラジルでは今年、55万9千人ががんに罹患し、24万3千人が死亡するが、2040年の罹患者は78・5%増の99万8千人に達する見込みと、国際がん研究機関(IARC)が12日に発表したと12、13日付現地紙、サイトが報じた。
IARCは世界保健機構(WHO)の外部機関で、発がんのメカニズム解明や原因特定によって発がん頻度を抑制する事を目標としている。同機関によると、世界規模で見た今年のがん罹患者は1810万人、死者は960万人に達する見込みで、無対策だと、40年の死者は1630万人に達するという。この数字は、6年前の報告での1410万人罹患、820万人死亡との数字を大幅に上回っている。
世界規模で見ると、がん患者の3分の1は乳がん、肺がん、結腸直腸がんが占める。約30種のがんの内、死者が最も多い肺がんは、今年は罹患者210万人、死者180万人と見られている。また、新興国は患者増加率が高く、40年の患者は現在比100万人(40%)増と見ている。
IARCのジャッケス・フェルレイ氏は、ブラジルでは40年までの患者増加率が78・5%と予想されている事に関し、「喫煙と肥満、運動不足が主な原因」との見方を明らかにしている。
ブラジルのA.C.カマルゴ・がんセンターのマリア・パウラ氏は、がんが増加する傾向は今後も続くとし、高齢化で各人の免疫能力が変化する事が主要因だが、生活様式を変えなければ増加傾向は加速すると警告した。同氏によると、消化器系のがんの増加率が他のがんの増加率より高いのは、加工食品やファストフードの利用増加が主因で、食の見直しは不可欠だという。
また、がんの病巣が大きくなるのには10~15年かかる事が多く、幼少時から生活習慣を整える事が必要だという。
2007年に行った検査で、息切れすると言っていた母親が第4段階の肺がんを患っている事が判明したという男性は、以来、生活習慣を見直すと共に、がん予防などの活動を行う団体の活動にも参加。現在も定期健診を欠かさず、早期発見に努めている。
今年、ブラジルで発生すると見られるがんと罹患者数は、男性が、前立腺がん8万4992人、直腸結腸がん2万4737人、肺がん1万9169人、胃がん1万2340人、膀胱がん9127人、その他12万8242人。女性は、乳がん8万5620人、直腸結腸がん2万7046人、甲状腺がん1万6901人、子宮頚部がん1万6298人、肺がん1万5342人、その他11万9557人となっている。
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