13日、最高裁長官にジアス・トフォリ氏(50)が就任した。同氏は労働者党(PT)との関係が強い判事として知られており、長官就任後の動向が注目されている。13日付現地紙が報じている。
トフォリ氏は、まだ41歳だった2009年、ルーラ大統領(当時)の指名で最高裁判事に就任した。
当時、同氏の最高裁判事就任は物議を醸した。それはトフォリ氏が法学の修士号・博士号を取得しておらず、PTとの関係性で選ばれたと報じられていたためだった。
トフォリ氏は90年代前半に中央労組(CUT)の顧問弁護士、90年代後半にPTの下院議員の顧問弁護士、2001年にはマルタ・スプリシー氏(当時PT)のサンパウロ市市政で区強化局長に就任。2003年には大統領府内司法局副局長、2007年には国家総弁護庁に抜擢されるなど、早い出世で知られた。さらに1998年、02年、06年の大統領選ではルーラ氏のキャンペーンに参加していた。
最高裁判事の中ではリベラル派として知られ、労働問題や環境問題などでは穏健な判断をすることで知られている。
だが、2012年のメンサロン裁判や、現在のラヴァ・ジャット作戦では、PTの被告に対する甘さがしばしば指摘されている。
メンサロン裁判では、ルーラ政権で官房長官を務めたジョゼ・ジルセウ氏に無罪票を投じ、今年6月にはラヴァ・ジャットでも服役中だった同氏に人身保護令を出して釈放させている。
また、4月に行われたルーラ元大統領への人身保護令適用に関する審理でも、「適用する」に投票している。
最高裁判事は持ちまわり制で、長官未経験の判事の中で在籍年数の長い判事が就任する。任期は2年だ。トフォリ氏は、19年1月に就任する新大統領の任期中、最初の最高裁長官となる。
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