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 第70回全伯短歌大会の「批評と感想」で小池みさ子さんは、《鹿児島のボンタン飴も買いたして母の一周忌ブラジルに発つ》(天野江利沙)という作品に注目していた。「ブラジルで母が亡くなって一周忌に駆けつけるとき、母の故郷の名物・鹿児島のボンタン飴を買って帰るという二世の歌。日本とブラジルに別れて暮らす家族の思いやりが詠み込まれている」と解説した。デカセギが増えつつある今、日伯をまたいだ家族の小さな愛情の物語が、あちこちで起きているようだ。