労働者党(PT)の大統領候補、フェルナンド・ハダジ氏は18日、ラジオ局CBNのインタビューで、かねてから注目されていた、大統領当選時のルーラ元大統領への恩赦に関して「自分から出す気はない」との発言を行った。ただ、「ご意見番」としてルーラ氏をとらえていきたい旨も語っている。18日付現地サイトが報じている。
ハダジ氏は18日、CBN局のラジオ・インタビューに出演。その冒頭で同氏は、収賄などで12年1カ月の刑を言い渡され、4月7日から服役中のルーラ氏について、「無実であり、司法上の誤りで服役している。それに対しては断固戦う」と語った。
だが、そのすぐ後に、司会者からの「大統領に当選したら、ルーラ氏を釈放する気があるか」との質問を受けたが、それには「いや。その答えはノーだ」と返した。
ルーラ氏への恩赦については、ミナス・ジェライス州知事選で再選を狙うフェルナンド・ピメンテル氏(PT)が15日に行った講演会で、「ハダジ氏が大統領になれば、ルーラ氏に恩赦を出すことになるだろう」と発言して以来、注目されていた。
また、大統領選の支持率調査では現在1位で、反PT勢として影響力の強いジャイール・ボルソナロ氏も、16日に「ハダジ氏が当選した際に自分が釈放されるのがルーラ氏の目論見だ」とけん制していた。
このピメンテル氏の発言に関し、ハダジ氏は「そのことに関してピメンテル氏と話したことはない」と否定していた。
ハダジ氏は17日に行われた、フォーリャ紙、ネット大手のUOL、SBT局の合同記者会見でも、恩赦のことについては、「大統領の特権を利用するようなことはしない。それは司法の問題だから」と消極的な姿勢を示していた。
だが、その17日の会見でハダジ氏は、「ルーラ氏は誰しもが認める、ブラジルが生んだ最大の大統領だ。私の政権作りに際しての大事な〃ご意見番〃であることには変わりはない」との見解を示している。
他方、ハダジ氏が大統領になった場合も、ルーラ氏への恩赦適用は簡単ではない。それは、最高裁が今年の3月に出した暫定令のせいだ。
この暫定令はルイス・ロベルト・バローゾ判事が出したもので、17年12月にテメル大統領が裁可して、官報で発表した、「恩赦の規定から外すもの」についての条令9246/2017に基づいたものだ。それによると、収賄や資金洗浄などの罪で断罪された人は恩赦の対象に含まれないことになっている。
この暫定令が完全に有効になるためには、最高裁の全体審理を通して承認され、最高裁長官の許可を受ける必要もある。