ブラジル保健省が20日、2016年の自殺発生率は2007年より16・8%上昇したと発表したと20、21日付現地紙、サイトが報じた。
16年のデータは現時点での最新データで、自殺者は1万1433人、自殺発生率は10万人あたり5・8人と報告された。07年は10万人あたり4・9人だった。
同省によると、16年の自殺者は1日平均31人になるが、20%の死者は死因の記載がなく、実際の人数はもっと大きい可能性があるという。
自殺者は圧倒的に男性が多く、10万人につき9・2人が自殺。10年前より28%増えた。
女性は10万人につき2・4人だったが、自殺未遂は女性の方が多い。自殺未遂を起こした女性の多くは家計の中心で、自分の死後に家族に与える影響の大きさを考えたりして思い止まったと見られている。
自殺または自殺未遂の原因に関しては詳細な調査が必要だが、自殺未遂の原因が記載されたケースの52%は失業中で、失業やそれに伴う家計圧迫が主な原因と見られている。
また、家庭内暴力その他の暴力事件の被害者の女性は、自殺する危険度が高い。中には、12歳で自殺未遂を起こした少女もいるが、暴力事件の被害に遭っている事も、女性の自殺未遂者が多い原因と見られている。
自殺は世界的な関心事で、ブラジルでは15~29歳の青年の死因の第4位だ。ブラジルでは9月を自殺撲滅月としており、黄色いリボンをつけて啓蒙活動などを行う人も多い。
保健省は自殺回避のため、「オープンな態度で相談に乗る」、「カウンセリング専門の電話(188)の事を教える」、「身近な人の行動や態度に注意を払う」、「悩みや問題が生じたら助けを請う」、「自殺しそうな人がいたら一人にせず、自殺に使いそうな道具を遠ざける」といった助言を行っている。