ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル大統領選》イボッピでボルソナロの支持上昇停滞=ハダジとの差は6%Pに縮小=決選のシミュレーションでは3候補に敗退=今後の票の動きはいかに?

《ブラジル大統領選》イボッピでボルソナロの支持上昇停滞=ハダジとの差は6%Pに縮小=決選のシミュレーションでは3候補に敗退=今後の票の動きはいかに?

ボルソナロ氏(Fábio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

ボルソナロ氏(Fábio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 24日に発表されたブラジル世論調査・統計機関(イボッピ)による大統領選の世論調査の結果によると、首位のジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)は支持率の上昇が28%で止まり、逆にフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)の支持率が22%に上昇してきた。ボルソナロ氏は拒絶率も上昇し、決戦投票のシミュレーションでも、18日発表のものより結果を悪くしている。25日付エスタード紙が報じている。

 今回の調査は、22、23日に全国178市、2506人を対象に行われた。ボルソナロ氏は引き続き1位だったが、支持率は前回と同じ28%のままだった。
 逆に、2位のハダジ氏は、19%から22%に支持率を上げ、ボルソナロ氏との差を6%ポイントにつめた。
 3位のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)は前回と同じく11%、4位のジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)は前回の8%から9%に支持率を微増させた。5位のマリーナ・シウヴァ氏(REDE)は6%から5%に支持率を下げ、3%に支持率を上げた新人候補のジョアン・アモエド氏(ノーヴォ)にも迫られている。
 ボルソナロ氏は、11日にハダジ氏がルーラ元大統領の代理で出馬と決まったときから、反PT票を集め、支持率を伸ばしていた。今回も、「反PT派」を自認する人たちからの支持を59%も集めている。だが、その一方で、同氏の財相担当予定のパウロ・ゲデス氏による金融取引暫定納付金(CPMF)再導入の噂や、ボルソナロ氏に対して、女性たちからのアンチ運動が高まったことが票の伸びを鈍らせた一因と考えられる。
 それと同時に、ボルソナロ氏に対する拒絶率も46%に伸び、6日の刺傷事件前日の5日に記録した44%を超えてしまった。
 また、刺傷事件後のボルソナロ氏は、決選投票のシミュレーションでの成績をあげていたが、今回のそれでは、ハダジ氏にも、37%対43%ではじめて敗れた。
 さらに、前回調査で39%対40%にまで差を詰めていたシロ・ゴメス氏には、35%対46%と差を広げられて敗れ、前回38%対38%で引き分けていたアウキミン氏に対しても、36%対41%で敗れるという結果となった。また、前回は41%対36%で勝利したマリーナ氏に対しては、39%で引き分けている。
 ボルソナロ氏に関する左派側の拒絶率は高く、ハダジ氏、シロ氏、マリーナ氏の票が動くことは考えにくい。アモエド氏、アルヴァロ・ジアス氏、エンリケ・メイレレス氏の中道右派も既に支持率が低いため、伸びを狙うにはアウキミン氏の票狙いとなる。アウキミン氏は現在、政見放送で痛烈なボルソナロ氏批判を行っており、それがどう影響するかが今後のカギとなりそうだ。