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《ブラジル》巧妙なカード犯罪が増加=モトボーイ詐欺、偽造チップも=漏れた個人情報など使う

ブラジルでは巧妙なカード犯罪が増えている(参考映像、Marcos Santos/USP Imagens)

ブラジルでは巧妙なカード犯罪が増えている(参考映像、Marcos Santos/USP Imagens)

 現金を持ち歩くのを嫌い、クレジットカードを使う人や、インターネットで買物する人が増えている中、クレジットカード所有者を狙う犯罪も増加中と25日付現地紙が報じた。
 2千万台を超えるコンピューターの情報収集などを行うPsafe社によると、クレジットカード利用者の個人情報を盗み、クローンカードを作るためにコンピューターを使う犯罪行為は今年1~8月だけで92万件、毎分3・6件に及ぶ。
 同社がクレジットカードを狙う犯罪行為の統計をとり始めたのは昨年9月で、過去のデータとの比較は出来ないが、専門家や銀行、警察は、カード情報を盗んで悪用する犯罪は増加傾向にあり、年末に向けて更に増える可能性があるという。また、標的の選択は、フェイスブックやインスタグラムを観察したり、何らかの機関から漏れたり盗んだりした情報を基に行われるという。
 主な手口は二つあり、「モトボーイ詐欺」と呼ばれる例は、銀行を装って電話をかけ、不審な買物をした形跡があるからカードの裏に書かれた番号に電話をかけるよう指示。ところが、犯罪者らはその番号にかけると別の電話につながるようにセットし、情報を聞き出すと、カードを割り、銀行から派遣したバイクの運転手に渡すよう求めるという。この方法で個人情報とチップを手に入れた犯罪者に8万レアル以上搾取され、夜も眠れなくなって、精神科医の世話になった人もいる。
 もう一つは、携帯電話のオペーレーション会社の従業員の助けを借りた犯罪者が、偽造チップを使って銀行やカードに関する情報を盗み、ネット上で好き勝手に買物するもので、携帯電話が使えなくなった事に気がついた被害者が、電話会社に連絡を取るまで買物は続けられる。
 金融機関は同種の犯罪への注意を喚起するビデオなども作っているが、カード利用者を狙う犯罪は銀行の顧客を巻き込む詐欺の中でも最多で、警察に届け出ず、泣き寝入りする人も多いという。
 カード情報を盗む手口には、現金自動預け払い機(ATM)に細工してカードが取り出せないようにし、その間に情報を読み取る方法もある。ATMでカードが引っかかり、取り出せなくなった場合は、銀行に連絡し、カードを無効化してもらうなどの措置も必要だ。銀行などに登録した住所や電話番号などを常に更新しておくと、不審な動きがあったら通達してもらう事も出来るという。