連邦検察庁のラケル・ドッジ長官は25日、民主運動(MDB)に関する組織的汚職容疑へのテメル大統領の関与についての捜査を打ち切ると発表した。25日付現地紙が報じている。
この捜査は、大手建設会社のオデブレヒト幹部が、ラヴァ・ジャット作戦の報奨付証言で語った内容に基づいている。
それによると、同社は2014年にMDBの政治家に1千万レアルを渡したことになっている。
証言によると、金を受け取ったのは、現官房長官のエリゼウ・パジーリャ氏と、現鉱山動力相のモレイラ・フランコ氏とされている。
テメル大統領に関しては、2014年にジャブルー宮で開かれ、同党に1千万レアルの支援を行うよう要請された夕食会会場に、当時は副大統領だったテメル氏本人も参加していたとされている。
ドッジ長官は、今回、テメル大統領への捜査を打ち切る理由として、憲法上の大統領特権をあげた。大統領は任期以外の時期に起きた犯罪行為に関しては、在任中は罪に問われないためだ。
だが、同長官は「任期が切れるのを待って、もろもろの事実関係を把握する必要がある」とし、大統領退任後の19年1月以降に捜査を再開する可能性をうかがわせた。
また、パジーリャ氏とモレイラ氏の二人に関しては、同長官は、容疑の対象となっている時期が現在の職務と異なっていること、テメル政権で閣僚入りした2016年以前の容疑でもあるため、裁判の管轄は最高裁ではなく、地裁になることを確認した。
今回のこのドッジ長官の声明は、最高裁のエジソン・ファキン判事から、同容疑に関して、大統領を起訴する否か、15日以内に決めるよう求められてのものだった。
テメル大統領は昨年、2件の嫌疑で検察庁から起訴され、最高裁も起訴状を受理したが、いずれも下院が拒否したため、審理は行われていない。