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ブラジルとベネズエラの外相が会談=昨年末の大使追放事件後初=国連総会の合間を縫って 

国内外の反対を押し切って行った制憲議会の議員選挙の成功を祝うマドゥーロ大統領(2017/07/30、Governo da Venezuela)

国内外の反対を押し切って行った制憲議会の議員選挙の成功を祝うマドゥーロ大統領(2017/07/30、Governo da Venezuela)

 ベネズエラが昨年12月に、カラカス駐在だったブラジルのルイ・ペレイラ大使の国外追放を発表して以来、初となる両国外相会談が27日に米国で開かれる事になったと27日付ブラジルのニュースサイトが報じた。
 ペレイラ大使の国外追放は、12月23日にデルシー・ロドリゲス制憲議会議長によって発表された。同大使追放は大使個人の言動を理由とするものではないと理解したブラジル外務省は、この発表の後、後任大使は送らない方針を決めると共に、ブラジル在ベネズエラ大使追放の意向を表明した。
 ベネズエラは当時、ニコラス・マドゥーロ政権による反体制派迫害や、制憲議会設立のための選挙のあり方、新議会発足に伴う従来の議会の機能剥奪などが続き、国際社会から多くの批判を受けていた。また、ペレイラ大使追放は、カナダ大使追放と共に発表された。
 今回の外相会談は、大使追放という、国交断絶も招きうる事件後、初めての会談だ。両外相は国連総会出席のために既にニューヨーク入りしているため、この機会を利用して会談を行う事になった。会談は現地時間の午後0時40分、ブラジリア時間では午後1時40分から始まった。
 ブラジルは後任大使を派遣しない方針をとったが、これは、米国のトランプ政権のように、軍事介入などを行う事も念頭に置いたものではない。ブラジルはむしろ、強硬手段に訴えるのではなく、対話による平和的解決を支持。様々な制裁議論に対しても、慎重な姿勢をとるように求めていた。
 だが、それは、ベネズエラとの間に何も問題がないという訳ではない。事実、1日に600~800人といわれるベネズエラ人流入は、ロライマ州政府と連邦政府との間の軋轢や、ロライマ州内の治安悪化などを生み、ロライマ、アマゾナス両州での麻疹の流行も招いている。
 ロライマ州ではまた、ベネズエラ国内が不安的な状況にあるために、同国からの電力供給も不安定になるという、予期しない影響も出ている。
 この件に関しては、今月はじめにベネズエラを訪れたジョアキン・シウヴァ・エ・ルナ国防相が同国の当局者と会って話していた。だが、ロライマ州での広域停電の頻度は増す一方で、エレトロブラスは16日以降、同州内の火力発電所を使って電力を供給し始めた。鉱山動力省傘下の電力部門監視委員会も、26日に、同州での電力供給は火力発電で行い、ベネズエラからの電力は使わない事を決めた。