9月29日、全国62の都市で極右大統領候補ジャイール・ボルソナロ氏に対して、女性を中心とした抗議活動が行われた。翌30日は、全国26都市でボルソナロ氏を支援する集会が行われ、大統領選の二極化を印象付けた。9月30日、1日付現地紙が報じている。
9月29日に行われた反ボルソナロ抗議行動は、SNSのサイト「ボルソナロ氏に反対する女性たち」がはじめた「エレ・ノン」運動が発展したものだ。この運動は9月中旬以降、国内外の女性芸能人らの支援も受けて、ネット上で大きく広がっていた。前述のサイトの登録者は380万人とも言われている。
この日に行われた抗議行動は、各州の州都を含む全国62都市で展開された。この輪は国際的に広がり、米国ではニューヨークやワシントンDC、欧州ではロンドン、パリ、ベルリン、バルセロナ、リスボン、南米でもブエノス・アイレスと世界規模で行われた。
サンパウロ市での抗議行動は、同市西部のラルゴ・ダ・バタタで行われた。そこにはフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)と副候補のマヌエラ・ダヴィラ氏(ブラジル共産党・PCdoB)のシャッパの他、シロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)やギリェルメ・ボウロス氏(社会主義自由党・PSOL)のシャッパ、マリーナ・シウヴァ氏(REDE)といった左派系候補の姿も見られた。
また、29日は、ボルソナロ氏が入院先のサンパウロ市アルベルト・アインシュタイン病院から退院し、飛行機でリオの自宅に戻ったが、その飛行機の中で、賞賛と罵声の両方を浴びていた。
また、この日は、「ボルソナロ氏を支援する女性の会」も、全国15市でボルソナロ氏を支援する集会を開催した。
翌30日、今度はボルソナロ氏を支援する集会が、全国26都市で開催された。最も目立ったのは、ブラジリアで行われたカレアッタ(自動車を使った行進)で、2万5千台ほどの車が行進に参加したという。
また、サンパウロ市のパウリスタ大通りで行われた抗議行動では、緑と黄色のブラジル国旗を意識した服を着た人たちで同大通りの3区画分が埋め尽くされた。
ボルソナロ氏の三男で下院議員のエドゥアルド氏は、「中道、右派の候補が父に票を投じれば、一次投票で勝つことが可能だ」と、投票を訴えていた。
一方、この日の夜、レコルデ局では大統領選候補者による討論会も行われた。同夜の討論会ではこの二極化が一段と明らかになり、支持率2位のハダジ氏と不在だったボルソナロ氏の二人が攻撃の対象とされて、厳しい批判にさらされていた。テレビでの討論会は4日のグローボ局ひとつを残すのみ。投票は7日だ。