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トランプ大統領がブラジルを批判=「米国を不当に扱っている」=関税でなく国内の税金問題か

「ブラジルはいつでも対話に応じる準備が出来ている」と語る、外務省金融・経済担当官のロナウド・コスタ氏(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)
「ブラジルはいつでも対話に応じる準備が出来ている」と語る、外務省金融・経済担当官のロナウド・コスタ氏(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agência Brasil)

 米国のトランプ大統領が1日、ブラジルは世界でも最も交渉が困難な国の一つとの見解を示したと2日付ブラジル国内紙が報じた。
 この発言は、メキシコとカナダとの間の貿易合意を発表した際、「米国との貿易関係で不当と考えているものは何か」と訊かれ、「米国企業はブラジルの事を世界で最も強硬な国の一つで、多分、最も強硬と評価している」と語ったものだ。トランプ氏は更に、「我々は米国企業に対するブラジルの扱いが不当とは言わない。ブラジルは米国を不当に扱っているのだ」と続けた。
 トランプ氏は大統領選の頃から、米国の産業や貿易を保護する姿勢を明確に打ち出しており、今年に入ってからも、中国との激しい貿易戦争を繰り広げている。
 だが、1日のトランプ氏の発言は、米中の貿易戦争は彼岸の事であり、鉄鋼やアルミ製品への高関税問題などでも、ブラジルは恩恵さえ蒙っていると考えていたブラジル外務省や商工開発省関係者に冷や水を浴びせた。
 ブラジルは昨年6月、国際経済開発協力機構(OECD)に米国に対する不服申し立てを行った。これに対し、米国は今年3月、同機構に働きかけ、ブラジルからの訴えに対する調査を中止させている。
 だが、複数の外交官や経済関係の専門家は、今回のトランプ発言が、インドが米国製品に課している高関税に関する批判を行った直後になされたにも関わらず、関税に関するものではないとの見方をしている。
 このような見解を支える主張の一つは、ここ10年間の対米貿易は、米国側が900億ドルもの輸出超過となっているというものだ。昨年もブラジルからの輸出は294億ドルだったのに対し、ブラジル側の輸入額は370億ドルで、米国は76億ドルの黒字となっている。
 また、元米国駐留大使でサンパウロ州工業連盟貿易高等審議会議長でもあるルーベンス・バルボーザ氏によれば、ブラジルの輸入関税は相当低いが、ブラジルは世界有数の重税国だから、トランプ発言は関税に関したものではなく、ブラジルに進出した企業の税負担に関するものだろうという。
 ただ、ブラジルが重税国である影響は米国企業だけに対するものではない。
 米国商工会議所経営審議会議長のエリオ・マガリャンエス氏はトランプ発言を否定し、ブラジルの交渉姿勢が強硬なのではなく、ブラジルが国内産業を守ろうとする姿勢をとり続けている事が問題なのだとした。
 同氏によれば、ブラジルが国内産業を守ろうとする姿勢は目新しい事ではない。ただ、この姿勢が、世界で8番目の国内総生産を誇りながら、全世界での貿易参加率は1・2%という結果を招いていると指摘。ブラジルが重税や官僚主義などの問題を見直し、国際的な競争力を高めなければ、貿易参加率は改善出来ないと提言した。

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