ジアス・トフォリ最高裁長官は1日、1964年の軍事クーデター(ゴウピ)を、今後は「1964年の運動(モビメント)」と呼ぶことにしたいと発言した。2日付現地紙が報じている。
この発言は1日、トフォリ長官の母校であるサンパウロ市のサンパウロ総合大学(USP)で開催された、憲法公布30周年記念討論会で行われた。
同長官は64年の軍事クーデターに関して、「軍事体制は最初、国民からも幅広く支持されてできたものだった。しかし、それが後からの評価で逆転した」とした上、「ゴウピというのは左翼から見た立場での呼び方だ。さらに(右翼がいうような)革命でもない」として、「1964年の運動と呼ぶことにしたい」とした。
トフォリ氏によると、1996年に行われた研究では、政党制について話し合われたという。政党は徐々に分れ、数が増えていったが、当時の政党はイデオロギー面が弱かったという。「そのときの見解は今でも有効だ。その後も政党は増えつづけているが、それで明確なイデオロギーが生まれたわけでもない」とした。
また同長官は、今回の選挙に関して、各政党がどのような立場かを主張しているだけで、国家的なプログラムやプロジェクトは一つもないと語った上で、「誰が選ばれても、結果は尊重されなければいけない」との意向を伝えた。
これは9月28日に大統領選支持率1位のジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)がテレビのインタビューで「(自分の)勝ち以外の結果は受け入れられない」と語り、物議を醸したことへの返答のようにもとられた。
トフォリ長官は討論会のテーマである1988年憲法にも触れ、「国に法的かつ政治的な安定をもたらした。何世代にもわたって、平等な権利を持って参加することを妨げられてきた人たちに、法の下の平等という概念ではなく、真の平等をもたらした」として、現行憲法を擁護した。
今回の大統領選では、ボルソナロ氏の副候補のアミウトン・モウロン氏やフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)が憲法改正に積極的な姿勢を見せている。