2日、ダッタフォーリャによる大統領選の世論調査が行われ、ジャイール・ボルソナロ氏が支持率を32%に上げて優位に立つ一方、追うフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)がルーラ元大統領に伴うスキャンダルなどで支持率を下げた。また、今回の調査では、ボルソナロ、ハダジ両氏が共に拒絶率で40%を超えるという、異例の選挙となっている。3日付現地紙が報じている。
ボルソナロ氏が前回の発表から4ポイントも上げてきた理由としては、9月29日に行われた、同氏に反対する女性たちを中心とした全国的な抗議活動「エレ・ノン」に脅威を感じた人たちがあわてて同氏支持に回ったことが考えられている。
一方のハダジ氏は、「エレ・ノン」運動がPT中心の運動と解釈する人が多かったことや、メンサロン、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で共に有罪となり、服役(現在は人身保護令適用で釈放)中の元ルーラ政権の官房長官、ジョゼ・ジルセウ氏が「政権奪回まであと少しだ」と発言したことが恐れられたこと、そして、1日に現在服役中のPT政権重要閣僚のアントニオ・パロッシ氏のLJでの報奨付証言でのルーラ氏に関する疑惑が暴露されたことが重なったためだ。
これでハダジ氏の拒絶率は前回の32%から41%に上がり、46%から45%に下がったボルソナロ氏に近づいた。
ボルソナロ氏は有効票での換算で38%の支持となり、一次投票での勝利基準の50%にも近づいている。ただ、決戦投票のシミュレーションでは、同氏はハダジ氏に44%対42%で勝つものの、現在の支持率11%で3位のシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)には42%対46%、同じく9%で4位のジェラウド・アウキミン氏(民主社会党・PSDB)には41%対43%で敗れると出ている。
ボルソナロ氏、ハダジ氏の支援者は共に、80%が投票を決めたとのデータもあるため、両者の優位は動きそうにない。だが、ダッタフォーリャは今回、不支持率40%超の二人が上位を争う展開は有権者も喜んでいないとのデータも出している。
それによると、国民の68%が「今回の選挙に怒りを覚えている」という。また、78%が「不愉快」、さらに79%が「悲しい」、88%が「不安」を感じているという。