ジェラウド・アウキミン氏の足元の民主社会党(PSDB)内で、大統領選の一次投票前の段階で、ジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)への支援を呼びかけている人たちがいると、4日付現地紙が報じている。
ここ数日、ネット上ではサンパウロ州知事選に出馬しているジョアン・ドリア氏が、ボルソナロ氏の支持者と共に映った動画が出回って、問題となっている。
この動画では、マックスと名乗る男性が画面に向かって歩きながら語り始め、そこに、後ろからついて来たドリア氏が寄り添う。そこでマックス氏は、「僕たちはボルソナロ支持者だ。だけど、サンパウロ州はドリアに投票しよう」と語り掛け、ドリア氏がその背後からトレードマークの人差し指と中指を横向きに突き出すポーズをとっている。
ドリア氏は政治未経験の企業家だったが、アウキミン氏がPSDB党内を説得して16年のサンパウロ市市長選に出馬させ、当選した経緯があり、アウキミン氏は同氏の恩師的存在として知られていた。
アウキミン氏はこの動画に不快感を表明しているが、ドリア氏は、ボルソナロ氏の支持者と会うことは頻繁にあり、相手に敬意を払ったまで、と釈明している。
また、上下院の農牧業議員グループ(FPA)は2日、同グループは決選投票時にボルソナロ氏を支援すると公式に宣言した。同グループは大統領選でアウキミン氏を支援している民主党(DEM)のテレーザ・クリスチーナ氏が会長をつとめているが、前会長でPSDB党員の下院リーダーでもあるニウソン・レイトン下議もボルソナロ氏への支持を公に認めている。PSDB党員で同グループに所属している議員は18人いる。
この声明を受け、アウキミン氏は2日、「非常に敬意を欠いたものだ。この分野は私の専門でもあるのに、何の相談もされなかった」と遺憾の意を表明した。