《ブラジル》選挙後の経済の行方は?=2人の専門家が懸念表明=議会の支援を得られるか

大統領選の世論調査では、ジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)とフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)が1、2位を争っているが、経済の専門家2人が、この2人のどちらが当選しても、経済の先行きに不安を感じている事を明らかにした。
4日付エスタード紙は先ず、2、3日の株式市場や為替の動きを、ハダジ氏の支持率の伸びが止まり、拒絶率が高まった事で、PT側の経済プラン導入の可能性が小さくなった故と説明した。
これは、PSLのプランにも疑問はあるが、PTのプランよりましと考える市場関係者が多い事を示す。PTは収支バランス改善の方法を示しておらず、テメル政権が提唱し、市場が期待している歳出上限法や労働法改正などを見直すという。
他方、ボルソナロ氏のプランは、細部不詳ではあるものの、政府の規模縮小や各種調整を含む、よりリベラルなものと見られ、PT案ほど不安を与えていないようだ。
だが、両候補とも「最悪」で、どちらが当選しても将来の経済、政治面へのリスクは大というのは、米国に本社を置く金融グループ、ゴールドマン・サックス元ブラジル支社長でマイアミ大学客員教授のパウロ・レメ氏だ。
同氏は4月に、ブラジルを安定した方向に導く中道候補の当選確率を60%と予想したが、現状は中道候補への支持率は20%にも満たない。
市場はボルソナロ氏はハダジ氏よりましというが、ブラジルが必要とする財政調整や政治改革、富の分配を行うのに不可欠な政局調整能力がボルソナロ氏にはないという。
年頭の国内総生産(GDP)予想値が高かったのは、中道で改革推進派候補当選への期待に裏打ちされていたからで、ラヴァ・ジャット作戦で政界に開いた穴を埋めきれないまま、選挙が行われたとの見解も表明した。
また、経費や補助の削減を迅速に行うと共に、景気刺激や投資により、購買力や生産性、競争力の向上を図る必要があるとも強調した。
他方、4日付フォーリャ紙は、ボルソナロ、ハダジの両候補は民主主義を脅かす存在にはならないが、両者とも議会の支援が得られず、長期的な展望で思い切った改革を行うのは困難との、投資銀行BRパートナー創始者のリカルド・ラセルダ氏の見解を掲載した。
同氏によれば、市場にはPT政権復活へのジレンマがあり、二者択一ならボルソナロ氏だが、最悪の場合も手持ちのカードでゲームするという。
また、PSLの経済担当者パウロ・グデス氏は国政や大規模団体での経営経験がなく、適切な政策導入や議会交渉などに不安があるし、同氏が提唱する政策は表層的だという。経済活動への国の介入を説くPTの説にも疑問を投げかけている。