7日、大統領選が行われ、ジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)が有効投票の46・1%を獲得し、2位のフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)と28日に行われる決選投票に進んだ。今回の選挙はこれまでのブラジルの大統領選の流れを変えたものでもあった。8日付現地紙が報じている。
投票日の1週間前から更に支持率を伸ばしていたボルソナロ氏は、「一次投票での当選」をめざしていた。7日は、開票率50%過ぎの時点で有効投票の49%前後まで伸び、一次当選実現の可能性を見せたが、最終的には、有効投票の46・1%に落ち着いた。
一方のハダジ氏は、開票率50%過ぎの時点では26%台、最後はなんとか29・3%まで持ち直した。だが、2002年以降の同党の大統領選での支持率では、最も低いものとなった。
3位には、最後まで健闘し、12・5%の支持を得たシロ・ゴメス氏(民主労働党・PDT)が入った。同氏は、2002、06年の大統領選に続く3位となった。
1994年の大統領選以来、毎回2位以内に候補を送り続けていた民主社会党(PSDB)のジェラウド・アウキミン氏は、政見放送の6割を占める大連立を組みながらも、最終的な得票率は4・8%で、屈辱の4位に終わった。
5位には、得票率2・5%で企業家出身で新党ノーヴォのジョアン・アモエド氏が、6位も、得票率1・3%で消防士のカボ・ダシオロ氏(愛国者党)と、新人候補が続いた。
テメル政権の候補、エンリケ・メイレレス氏(民主運動・MDB)は得票率1・2%で7位。2010、14年の大統領選では3位だったマリーナ・シウヴァ氏(REDE)の得票率は1%で、8位と惨敗した。
ボルソナロ氏は、16州と連邦直轄区で1位となった。特に、南東部、南部、中西部という、前回選挙でPSDBのアエシオ・ネーヴェス氏が得票率トップとなった地域を、ボルソナロ氏が受け継いだ形となった。これは、従来はPSDBが得て来た反PT票を同氏が奪ったことを意味する。
ボルソナロ氏はサンパウロ州でも53・0%の票を得、16・4%のハダジ氏に圧勝している。同州の票の分布を見ても、前回選挙でアエシオ氏が強かった地域が、そのままボルソナロ氏の票田になっている。
一方のハダジ氏は、PTが地盤としている北東部と北部のマラニョン州の計9州で得票率1位となった。これが一次投票で敗れずに命拾いした要因となった。ただし、シロ氏のお膝元のセアラー州だけは、シロ氏にトップを奪われた。
決選投票は28日に行われるが、現状では反PT派のかけこみ投票の支持を得たボルソナロ氏が優勢だ。ハダジ氏としては、ボルソナロ氏がこれまで避けてきたテレビの討論会に勝機を見出せるかがカギとなる。