大統領選の一次投票の翌日の8日、決選投票に進んだジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)とフェルナンド・ハダジ氏(労働者党・PT)がグローボ局のインタビューに答え、共に噂され、心配もされていた「制憲議会」の招集はないことなどを明言した。9日付現地紙が報じている。
ボルソナロ、ハダジ氏は8日、グローボ局のニュース番組「ジョルナル・ナシオナル」に生中継で個別出演。決選投票に向けた最初のキャンペーンを行った。
その中で、両者は共に、「憲法改正のための制憲議会を召集する」という考えを否定した。
ボルソナロ氏の場合は9月中旬、同氏が同月6日に起きた刺傷事件で入院中に、同氏の副候補の元陸軍将軍アミウトン・モウロン氏が、「憲法を改正したいが、憲法改正作業は国民の投票で選ばれた議員が行う必要はない」と発言。著名人による制憲議会で作業を行うことを示唆していた。
ボルソナロ氏はこれに対して、「残念ながらモウロン氏はそのような発言をしてしまった。陸軍の頃、私はキャプテンで彼は少将だったが、今の状況では私の方が立場が上だ。私は大統領の権限を使って議会を閉めるようなことはしない」「あくまでも憲法に仕える立場でいる」と語った。
さらにボルソナロ氏は噂されていた、金融取引暫定納付金(銀行小切手税・CPMF)の導入も否定した。
一方、ハダジ氏もかねてから、「新しい民主主義のための憲法改正」を訴え、そのための制憲議会を設けたいとしてきたが、この日の放送で「その件に関しては見直す」意向を示し、憲法全体を作り直すという考えを否定した。
ハダジ氏は憲法改正に関して、「まず一番にやるべきは税制改革。その次は銀行の改革だ」とした。同氏はさらに、「最低給与5倍までの給与所得者の所得税免除」も訴えたが、これはボルソナロ氏も約束している。
ハダジ氏はさらに、メンサロン事件、ラヴァ・ジャット作戦で共に実刑判決を受け、現在は人身保護令適用で釈放中のPT政権元官房長官、ジョゼ・ジルセウ氏に関して、「自分の政権での入閣予定者には入っていない」とした。
ジルセウ氏は9月末に「我々が政権を奪還する日はもうすぐだ」と語っており、これが有権者の反PT感情を高めたために、投票日直前のボルソナロ氏への駆け込み投票が起きたとされている。