統一選の最中で余り注目されなかったが、ブラジルでは、10月1日は高齢者に関する特別法発効から15年の節目だった▼発効当時(03年)の高齢者は1500万人で、12年の高齢者は2540万人、17年の高齢者は3020万人だから、高齢化は確実に進んでいる。12~17年の高齢者は18・8%増え、総人口に占める割合も12・8%から14・6%に拡大した。この期間中の人口増加率は4・2%で、1億9870万人が2億710万人に増えたというから、人口増加率の4倍半のスピードで増えた事になる▼社会の高齢化は、地下鉄やバスの優先席が足りず、高齢の乗客が立っていたり、銀行やスーパーで「優先」の札がかかる列の方が長い時があったりする事からも明らかだ。優先席や優先窓口は高齢者の他、妊婦や乳幼児を抱えた人、障害のある人も対象となるから、もう少し数を増やすなどの対応も必要だろう▼他方、最近増えた、高齢者向けのタブレットや携帯電話、音楽視聴用機器などの宣伝は、時代の動きをよくとらえている。知人が80代の両親にインターネットの使える携帯電話を持たせたところ、通信ソフトのワッツアップにはまった。だが、文字入力が困難だというので、文字が大きく使い易い機器もあると紹介した事があるが、娯楽や交際を楽しむ高齢者は増える一方だから、同種の機器は需要が増えるはずだ▼9~10日にかけては、高齢者の介護をする人を養成する講座の受講者や介護者を望む家族が増えている事も報じている。新政権で社会保障や社会福祉がどのように変わるかは不明だが、国の基礎を作った人達に敬意を込めた政策が採られる事を望みたい。(み)