90年代のサッカーのフランスの名選手で、マンチェスター・ユナイテッドなどで活躍したエリック・カントナが、ブラジル代表(セレソン)が親善試合をサウジアラビアで行ったことを、ブラジルの時事問題も絡めてからかった。
セレソンは12日にサウジアラビアで同国との親善試合を行い、16日も同地でアルゼンチン代表との試合を行うが、そのことに関して、カントナは13日に自身のインスタグラムのビデオで批判を行った。
彼によると、サウジアラビアは現在、ジャーナリストが行方不明になり、人権問題で追及を受けている最中であり、そのような国で大金をかけて試合を実施するのは不謹慎であるという。
さらにカントナは、「ブラジル側がこういう国で試合を行うのは、サウジのような専制国家を好むからだろう。なるほど。だから(ジャイール・)ボルソナロに票を入れるわけだ」と、ブラジルの大統領選で当選を有力視されているボルソナロ氏を例に出してからかった。
このところ、欧米諸国の間では、女性やLGBT、黒人、先住民などに対する差別発言や軍政礼賛などで知られるボルソナロ氏を脅威とする報道が相次いでおり、フランスもその例外ではない。
それは、同国の極右政治家で昨年の大統領選で次点となったマリーネ・ルペン氏をして、「彼は極右でもなんでもない。ただ単にフランス社会だと考えられないような不快な発言をしているに過ぎない」と批判させるにいたっている。
さらに、フランスで行われた同国滞在のブラジル人による投票では、本国では3位に終わったシロ・ゴメス氏が1位で、2位が現在決戦投票に進んでいるフェルナンド・ハダジ氏と、2人の左派候補に人気が集まっていた。
だが、そうした欧米での批判とは裏腹に、ブラジルでのボルソナロ氏の人気は高い。とりわけ、サッカー選手の間では顕著だ。現在のセレソンは、「政治的な発言を行わない」として選手の意思は伝えられていないが、一部報道だと大半がボルソナロ氏支持者とされ、既に、ルーカス・モウラ(トッテナム)のように、ボルソナロ氏への支持を公言してヨーロッパのサッカー・ファンの間で批判された選手もいる。
また、カフーやカカー、ロナウジーニョなど、かつての名選手も同氏支持を公言している。
(13日付ランセ・サイトより)
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