ブラジル沖縄県人移民研究塾(宮城あきら塾長)が発行する同人誌『群星』第4巻が8月に発行された。日ポ両語。本紙編集部やブラジル沖縄県人会本部にて無料配布中。
今号では、ブラジル沖縄県人移民110周年を迎えて「県人移民85周年記念祭典」を特集。
一世の郷愁を癒すため屋内で親しまれていた琉球芸能が初めて屋外で披露されたのが、85周年の《前夜祭・沖縄の夕べ》だった。これまで位置づけが明確ではなかった、琉球芸能の継承普及へと舵を切った同事業の歴史的意義を再考する。
「移民群像」では、戦争孤児の壮絶な体験記が掲載されている(本紙6面に掲載中)。
宮城塾長は「涙ながらに戦災孤児の体験談を読んだという感想を沢山頂いている。考えたことも無いような人生の物語がある」と話し、嶺井由規さんも「天涯孤独となった戦争孤児がどのように助けられ、どう生きてきたのか。物語を通じて、ウチナーンチュの心やその生き方が浮き彫りとなる」と読みどころを語った。
また、前号に引き続き、サントス強制立退きについて新たに6つの証言が掲載されている。宮城塾長は「カンポリンポには立退き経験者が多くおり、12人の聞取りを実施した」と話し、次号に向けても引き続き、取組んでいく。
なお、第4号の合評会は27日午後2時から、ブラジル沖縄県人会(Rua Tomas de Lima, 72)の二階会議室にて開催される。問合せは、沖縄県人会本部(11・3106・8823)まで。
□関連コラム□大耳小耳
『群星』第4号では、「歴史の発見」の章のなかで、サンタリータ・ド・パッソ・クアトロ市のバスヌンガ州立公園に、樹齢3千年にもなるジュキチバー・ロザ樹があると紹介している。高さ40メートル、幹の直径3・60メートルで12人が手を繋いでようやく囲むことができる巨大な大木だ。世界自然遺産に登録されている樹齢4~5千年の屋久島の縄文杉に匹敵するものだが、ブラジル社会でも日系社会でも、まだあまり知られていないとか。開園時間は、平日、週末とも午前8時から午後5時まで。アニャンゲラ州道246キロ地点。