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《ブラジル》8月の経済活動指数発表=0・47%増で、3カ月連続上昇

南部パラナ州の農業機械製造工場の様子(参考画像・Ricardo Almeida/ANPr)

南部パラナ州の農業機械製造工場の様子(参考画像・Ricardo Almeida/ANPr)

 その月の国内総生産(GDP)成長率に先行して発表され、GDP動向の先読みとなる。ブラジル中銀の経済活動指数(IBC―Br)の8月の結果が17日に発表された。
 それによると、8月のIBC―Brは、前月比0・47%増(季節偏差調整済み)で、昨年同月比では2・5%増だった。
 IBC―Brは、トラックストの影響でマイナス3・33%を記録した5月以降、6月(3・45%)、7月(0・65%)と続けて前月比増を記録しており、これで3カ月連続の前月比アップとなった。
 今年1月から8月までの累積では、1・28%増で、昨年9月から今年8月までの過去12カ月の累積値は1・50%増だった。
 中銀の算出するIBC―Brは、「農牧畜業」と「工業」、「サービス業」、「税収」に絞って計算されるため、地理統計院(IBGE)が、「公共支出」や「投資」などのデータも使って算出する国内総生産(GDP)とは多少のズレも生ずる。
 今年7月から9月(第3四半期)のGDPの発表は11月30日だが、7、8月のIBC―Brの好調さを受けて、今年第3四半期のGDP成長率予測を引き上げる銀行も出ている。
 ブラデスコ銀行は「IBC―Brやその他の経済指標が想定より良い」として、今年第3四半期のGDP成長率を0・30%増から、0・50%増へと引き上げたが、今年の年間成長予想は1・10%増のままだ。
 イタウ・ウニバンコ社のエコノミスト、アルトゥール・パッソス氏は「IBC―Brの数字がプラスで出た事は、第3四半期のGDP成長率の予測を上方修正させるのに重要な役割を果たしている」と語っている。
 パッソス氏は、8月のIBC―Brが好調だったのは、6月に始まった社会統合基金/公務員財形計画(PIS/PASEP)休眠口座からの引出し解禁によって消費が活性化し、生産も拡大した事が影響したと見ている。1971年~88年10月4日までに積み立てられた休眠口座の資金引出しは9月28日までなので、影響は9月も続く見込みだ。
 しかし、イタウ・ウニバンコ社は、第3四半期のGDP成長率予想をこれまでの0・60%増のままにしており、「景気回復ペースが思わしくない事に変わりはない」と語っている。(17日付G1サイト、18日付エスタード紙より)