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《ブラジル》チリとの自由貿易協定締結を発表=関税以外に17の協力事項も

7月にメキシコで会談した際のブラジルのテメル大統領(左)と、チリのピニェラ大統領(右)(Cesar Itibere/PR)

7月にメキシコで会談した際のブラジルのテメル大統領(左)と、チリのピニェラ大統領(右)(Cesar Itibere/PR)

 ブラジル外務省は19日、チリとの自由貿易協定の内容に関し、合意が成立したと発表した。
 今年4月27日に実現したセバスティアン・ピニェラ大統領のブラジリア訪問を機に始まった両国間交渉は、4回の代表者会議を経て、合意成立となった。
 ブラジル外務省は20日の夜、「今回の合意はブラジルとチリの2カ国間の貿易や投資の流れを「財」、「サービス」両面において促進させるだろう。また南米南部共同市場(メルコスール、ブラジルが所属)と太平洋同盟(チリが所属)間の結びつきも強まり、南米地域の統合も強化されるはずだ」との声明文を発表した。
 ブラジルにとって、チリは南米諸国で2番目の貿易パートナーだ。昨年の両国間の貿易高は85億ドルで、前年比22%増を記録した。今年1~9月の貿易高も72億1千万ドルに達しており、昨年同期と比べて13%増大している。
 また、チリにとってブラジルは、ラテン・アメリカ諸国の中で最大の貿易パートナーであると同時に、主要な国外投資先でもある。
 ブラジルはチリに、主に石油、石油関連製品、食肉、自動車などを輸出し、チリから銅、銅関連製品、魚、ワインなどを輸入している。
 両国間の合意条件は明らかにされなかったが、正式署名は年内に行われる見込みだ。
 今回の合意は、以前にメルコスールとチリの間で結ばれた貿易協定の内容を補足する内容になっていると、ブラジル政府は発表した。
 外務省はさらに、今回の合意には、関税の対象とならない項目も17含まれているとした。「17項目」は、サービスや電商取引、通信、衛生、植物検疫、貿易障壁、貿易簡易化、著作権、中小企業対策などの他、ブラジルとチリの両国民がお互いの国を訪れた際、スマートフォンのデータローミング課金を撤廃する事も決められた。(22日付フォーリャ紙、エスタード紙などより)