ホーム | ブラジル国内ニュース | 《ブラジル》エドゥアルド「最高裁、兵士で閉鎖できる」=ボルソナロ三男が7月に発言=「もし父が候補資格剥奪なら」=下議選では史上最多得票

《ブラジル》エドゥアルド「最高裁、兵士で閉鎖できる」=ボルソナロ三男が7月に発言=「もし父が候補資格剥奪なら」=下議選では史上最多得票

エドゥアルド氏(左)とボルソナロ氏(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

エドゥアルド氏(左)とボルソナロ氏(Fabio Rodrigues Pozzebom/Agencia Brasil)

 大統領候補のジャイール・ボルソナロ氏(社会自由党・PSL)の三男で下院議員のエドゥアルド・ボルソナロ氏(PSL)が、7月に「最高裁を閉鎖するには伍長と兵士が1人ずついれば事が足りる」と発言した動画が流出し、物議をかもしている。22日付現地紙が報じている。

 この発言は、エドゥアルド氏が7月9日に、パラナ州の予備校の講演会(講義)で行われた。受講生の一人が「もし、最高裁がボルソナロ氏の大統領選出馬資格を取り消し、就任を阻止したら、軍が介入する可能性はあるか」と質問した際、返答として語られた。
 エドゥアルド氏はその質問に対し、「もし仮に父が誰かから100レアルの不当な献金をもらって、それで最高裁が罪に問うことにした場合」と前置き、「そういうことはないと思うのだが、仮にそんなことが起きたら、当然、その代償が払われなければならない」と発言した。
 同氏はさらに、学生たちに対して「最高裁を閉鎖したかったら何が必要か知っているか? 必要なのはジープじゃない。兵士と伍長。それだけだ」と発言した。
 この発言が行われた前日は、現在服役中のルーラ元大統領に、瞬間的にではあったものの、釈放命令が出され、騒然となった経緯があった。その時に命令を出したのは最高裁判事ではない。
 この動画は予備校が自分たちのサイトにあげ、16万回の再生を記録した。だが、動画流出後に急速に広まったため、サイトから外された。
 今回の騒動を受け、ジャイール氏は「こんな話があるとは知らなかった」と語った。エドゥアルド氏本人も21日、「最高裁を閉鎖するなどと主張する人物がいるなら、精神科医に診てもらった方がいい」と語り、そのような意思はないことを強調した。
 だが、この発言は方々で批判の対象となっている。最高裁の最長老のセウソ・デ・メロ判事は、「いかにも、下院でも無責任な言行を見せ、独裁クーデターを行う気持ちのある人が行いそうな発言だ。200万票近い票を得たからといって、認められる発言ではない」と不快感を顕わにした。エドゥアルド氏は7日の下院議員選で全国最多の得票を記録していた。
 ボルソナロ氏は現在、19、20日付本面でも報じたとおり、支援企業が金を払って大量のフェイクニュースを流させた嫌疑で、選挙法違反(裏金、カイシャ2)などを疑われている。高等選挙裁判所のローザ・ウェベル長官は会見で、「フェイクニュースで奇跡は起きない」と語り、資格を取り消す可能性がないことを示唆した。だが、フェイクニュース関連疑惑や、その前から訴えられていた選挙違反疑惑については今後も捜査していくとしている。