ブラジル中銀が25日に発表したデータによると、9月にブラジル人が国外で消費した金額は、外国人がブラジルで消費した金額を8億1600万ドル上回ったが、ドル高で赤字額は大幅に縮小した。
「外国人がブラジル国内で消費した金額」から「ブラジル人が国外で消費した金額」を引いた値を「旅行収支」と呼ぶ。これが赤字になれば「ブラジル人が積極的に国外で消費している」こととなる。
今年9月の旅行収支赤字8億1600万ドルは、昨年9月の旅行支出赤字13億ドルを大きく下回る。ドル高により、ブラジル人の国外での消費が抑制された。
中銀戦略部門副部長レナト・バルジーニ氏によると、昨年9月のドルの平均相場は1ドル=3・13レアルだったが、今年9月の平均は1ドル4・13だった。
同氏は、「ブラジル人の国外消費は、ドル/レアル相場の影響を敏感に受ける。9月のブラジル人の国外消費総額は、2016年5月以来の低さだった」と語る。
今年9月のブラジル人の国外支出は12億ドル、外国人によるブラジル国内消費は3億7300万ドルだった。
昨年9月のブラジル人の国外支出は17億ドル、外国人によるブラジル国内消費は4億700万ドルだった。
今年に入って9月までの累計旅行収支は、94億ドルの赤字だ。中銀はこの数値は年末には、昨年の132億ドル赤字と同程度の130億ドルの赤字になるだろうと予測している。
「旅行収支」は経常収支の一部を占めている。経常収支は貿易収支、サービス収支、所得収支、経常移転収支からなり、「旅行収支」はサービス収支の一部だ。9月のブラジルの経常収支は3200万ドルの黒字で、中銀予想の6億ドルの赤字を上回った。
バルジーニ氏は、「トウモロコシなどの輸出が好調で9月の貿易収支が伸び、経常収支の黒字化に貢献した」と分析している。また、今月23日までのデータから推計すると、今月の経常収支は13億ドルの黒字になりそうだという。ただし、今年1~9月の経常収支は74億ドルの赤字となっている。(26日付エスタード紙などより)
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