ブラジル最高裁(STF)第2小法廷は今年2月、「判決の出ていない、妊娠中か、12歳までの子供がいる女性拘留者(以下「母親拘留者」)に対し、自宅拘留を認める」との判決を出していたが、リカルド・レヴァンドフスキ最高裁判事は25日、「最終判決が下っていない全ての母親拘留者」にも自宅拘留を認めた。25・26日付現地紙・サイトが報じた。
今回の決定で、自宅拘留の権利は、控訴、上告の手段がまだ残されている母親拘留者全員に認められることとなった。「2審で有罪判決を受けても、上告中、または上告権を有していれば、刑務所に入らず、取調べや裁判の場に自宅から通える」ということだ。
レヴァンドフスキ判事は同時に、「薬物密売容疑」の母親にも自宅拘留の権利を認めた。2月の判決で除外された「暴力事件や子供にとって脅威となるような犯罪で起訴された場合」に、薬物密売が含まれると判断する判事が多数いたためだ。
同判事は「小さな子供がいる、または妊娠中の収監者は社会において最も弱い立場にいる」とした上で、「黒人女性や貧しい女性の子供たちが、人生を歩み始めた最初の年から最も厳しい環境に置かれてきたことは想像に難くない。母親や妊婦を拘留することで、母親に育てられ、知的、社会的、情緒的に成長する権利を、幼い子供から奪ってはならない」と判決文に記した。
同判事は、刑が確定した場合でも、妊婦であるか、幼子がいる女性は自宅禁錮刑とすることについて、議会で検討するようにとの指示も出した。
全国刑務所管理局(Depen)は、この決定で1万4750人以上の女性拘留者が恩恵を受けると発表したが、何人が自宅に戻ったか、正確な数は判明していない。