28日、連邦直轄区と13州の知事選の決選投票が行われ、サンパウロ州でジョアン・ドリア氏(民主社会党・PSDB)が当選を果たしたほか、7日に続いて14人の知事が決まった。29日付伯字紙が報じている。
サンパウロ州知事選は過去にない大接戦となったが、前サンパウロ市市長のドリア氏が、現知事のマルシオ・フランサ氏(ブラジル社会党・PSB)を51・75%対48・25%の僅差で破って当選した。
PSDBはこれで、1994年に当選したマリオ・コーヴァス氏から数えて、7期連続でサンパウロ州知事の座を守ったことになる。
ドリア氏は1年余り市長をつとめていたサンパウロ市では41・90対58・10%で敗れるなど、苦戦を強いられたが、州内の他の地域に助けられた形となった。
ドリア氏はPSDB党内が中立を示す中、大統領選の決選投票で早々にジャイール・ボルソナロ氏を支持し、「ボウソドリア」と称してキャンペーンを行った。これは、カルドーゾ元大統領ら党の重鎮が伝統的に示していた「社会民主主義路線」に反するとして、党内からは「裏切り者」との批判の声もあがっていた。
当選後の会見で、ドリア氏は「19年1月からのPSDBは、現状のブラジルに合わせた新しい党になる」と宣言している。
また、南東伯ではこの日、ドリア氏の他にも、リオ州でウィルソン・ヴィッツェル氏(キリスト教社会党・PSC)やミナス・ジェライス州でロメウ・ゼマ氏(ノーヴォ)など、ボルソナロ氏への支持を表明した候補が決選投票で勝利した。
これで、この日の決選投票で決まった14人を加え、全国26州および連邦直轄区の全27人の知事が決まった。
知事当選者が最も多かったのは労働者党(PT)の4人だ。PTは下院議員に次いで、知事でも最多を獲得した。また、北大河州で57・60%を獲得して当選したPTのファッチマ・ベゼーラ氏は、唯一の女性知事となる。
ボルソナロ氏の社会自由党(PSL)は、前回までは知事がいなかったが、今回の選挙で3人の知事を生んだ。うち、ロンドニア州のコロネル(大佐)・マルコス・ロシャ氏とサンタカタリーナ州のコマンダンテ(司令官)・モイゼス氏は共に軍人出身で、モイゼス氏は選挙の出馬自体がはじめてだった。
また、PSDBや民主運動(MDB)といったPTとの「三大政党」は、各々3州の知事輩出にとどまった。
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