ジャイール・ボルソナロ次期大統領(社会自由党・PSL)が現政権との引継作業をはじめるにあたり、国防相予定の退役軍人アウグスト・エレーノ氏ややはり退役軍人のオズワルド・フェレイラ氏が率いる軍関係者らのグループが、引継担当者全50人中、半分にあたる25人分のリストを提出していることがわかった。30日付エスタード紙が報じている。
エレーノ氏は一時、ボルソナロ氏の副候補に指名される直前まで行ったほどで、次期大統領とは深い仲だ。新政権でも、国防相就任がすでに公表されている。同氏はフェレイラ氏と共に、「ブラジリア・グループ」という軍人のグループを作って、ボルソナロ氏を支援してきた。
エスタード紙によると、このグループはすでに、官房長官就任予定のオニキス・ロレンゾーニ氏(民主党・DEM)に対し、引継作業を担当する50人のスタッフ中、半分にあたる25人分の希望者リストを提出しているという。
同グループは、保健、治安、インフラ、労働、環境、国際、法務などの分野の引継作業を担当する見込みだ。
具体的な名前で見ると、ブラジリア大学教授のパウロ・コウチーニョ氏は科学技術の分野、応用経済調査院(IPEA)理事のアレッシャンドレ・イワタ氏は環境分野、元消防大佐のルイス・ブルム氏は保健や国防の分野、消防中佐のパウロ・ロベルト氏は教育分野の引継を担当するのに相応しいと指名されているという。
このグループは、選挙キャンペーン中もボルソナロ氏を専門部門の政策策定などでサポートし、同氏を支えてきた柱の一つだ。選挙キャンペーン中はブラジリアのホテルで会合を重ねており、何人かは、ボルソナロ氏本人と直接連絡を取り合うほど緊密な関係にある。
彼らとしては、ブラジリアのブラジル銀行文化センターで行われる現政権との引継ぎ作業に参加することで、各自が得意とする分野の省庁の実態を詳細に把握し、新政権の政策策定に反映させたいところだ。
引継担当者は、指名から2日以内に任命を受けて引継作業を開始。引継と、新政権発足後100日以内の最優先事項決定などの作業は、新大統領の就任後、10日以内に終わらせなければならない。引継担当者の最終決定はオニキス氏が行う。現官房長官のエリゼウ・パジーリャ氏は29日の会見で、オニキス氏とは31日に会うことになっており、担当者が指名され次第、引継作業を開始すると語っている。
なお、ボルソナロ氏は統合による省庁減少を公言していたが、当面の間は運輸省と鉱山動力省の統合はないという。ボルソナロ氏はこれらの省をインフラ省に統合するつもりだったが、現状維持となる見込みだ。ボルソナロ氏は先週も、環境省と農牧省の統合を見直す意向を表明している。